国内企業の2024年度業績見通し~引き続き増収増益を予想

2024/04/01

2024年国内企業の2024年度業績見通し~引き続き増収増益を予想

    • TOPIXを構成する3月期決算企業は直近で増収増益のまま2023年度を終えるとの見方を示す。
    • 企業数の違いで単純比較できないが、弊社も調査企業の2023年度の業績は増収増益を予想。
    • 弊社調査企業は今年度も増収増益へ、3月期決算企業の予想は4月下旬から公表で、要注目。

TOPIXを構成する3月期決算企業は直近で増収増益のまま2023年度を終えるとの見方を示す

東証株価指数(TOPIX)を構成する3月期決算企業(金融とソフトバンクグループを除く)が公表した2023年度4-12月期の決算によると、前年同期比で売上高は4.1%増、営業利益は20.6%増、経常利益は9.3%増、純利益は10.1%増でした(2024年2月22日時点、企業数ベースの開示率99.8%)。円安の進行や供給制約の改善、国内で新型コロナウイルスの5類移行に伴う人流の回復、値上げの浸透などを背景に、業績は総じて良好です。

一方、企業自身による2023年度の通年度の業績予想を確認すると、前年度比で売上高は4.1%増、営業利益は14.2%増、経常利益は9.9%増、純利益は5.7%増となっています。2023年5月16日(2022年度本決算終了時点)以降、四半期の決算ごとに、業績予想はおおむね上方修正が進み(図表1)、直近では増収増益のまま2023年度を終えるとの見方が示されています。

企業数の違いで単純比較できないが、弊社も調査企業の2023年度の業績は増収増益を予想

2023年度の企業業績に関し、4-9月期の実績と通年度の予想は株価の支援材料と考えられますが、市場の関心は、すでに2024年度の企業業績に移行していると思われます。そこで、アナリストが予想するTOPIXの12カ月先予想1株あたり利益(EPS)の伸び率をみると、足元では9%程度となっており、現時点で市場は先行きの業績について、安定推移を見込んでいる模様です。

なお、弊社では調査対象としている企業の業績見通しを公表しており、以下、2023年度と2024年度の数字をみていきます。金融とソフトバンクグループを除く主要企業372社について、2023年度は前年度比で売上高は3.0%増、営業利益は12.8%増、経常利益は12.4%増、純利益は10.0%増での着地を想定しています(図表2)。企業数が違うため、前述の企業自身の予想と単純比較はできませんが、2023年度は増収増益との見方は同じです。

弊社調査企業は今年度も増収増益へ、3月期決算企業の予想は4月下旬から公表で、要注目

そして、2024年度について、弊社は前年度比で売上高が2.4%増、営業利益は9.1%増、経常利益は6.1%増、純利益は7.5%増を予想しています。2023年度に比べ、売上高、利益の伸びともに鈍化するものの、引き続き増収増益を見込んでいます。なお、2023年度1-3月期以降、前提となる為替レートは、ドル円を1ドル=148円、ユーロ円を1ユーロ=161円としています(それ以前は、順に150円、159円)。

2024年度は、半導体供給不足の解消による生産回復の持続や、半導体サイクルの底打ちなどが、自動車、通信、化学・繊維、自動車部品・ゴム、半導体関連などの追い風になると考えます(セクターは弊社の31分類による)。なお、3月期決算企業自身の2024年度の業績予想は、2023年度本決算が公表される4月下旬以降から順に明らかになりますが、業績の回復傾向が続くか否が焦点で、株高の持続性を見通す上でも重要なイベントです。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

 

(2024年4月1日)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会