2023年FOMCメンバーの金融政策スタンス(10月更新版)
2023年FOMCメンバーの金融政策スタンス(10月更新版)
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- 新たに就任した理事もいることなどから、改めて現状メンバーの現時点での政策スタンスを確認する。
- 最近の発言からボウマン理事、ウィリアムズ総裁、ハーカー総裁、ローガン総裁のスタンスを変更した。
- 現状はハト派5、中立4、タカ派3名だが、弊社は米経済の底堅さが続き年内追加利上げを予想。
新たに就任した理事もいることなどから、改めて現状メンバーの現時点での政策スタンスを確認する
米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの金融政策スタンスについては、1月12日付レポートで、2023年に投票権を持つメンバーの顔ぶれと政策スタンスを解説しました。当時は、就任からまだ日が浅い米連邦準備制度理事会(FRB)理事や地区連邦準備銀行(地区連銀)総裁が多く、また、その後、新たに就任した理事もいることから、今回は改めて現状メンバーの現時点での政策スタンスを確認します。
FOMCでは、7名の理事(うち議長1名、副議長1名、金融監督担当副議長1名)と5名の地区連銀総裁が投票権を持ちます。理事とニューヨーク地区連銀総裁は、常に投票権を持つ常任メンバーですが、4名の地区連銀総裁は、輪番制により1年の任期となります。2023年に投票権を持つメンバーの金融政策スタンスについて、ハト派(景気重視)、中立、タカ派(物価重視)の3つに区分したものが図表1です。
最近の発言からボウマン理事、ウィリアムズ総裁、ハーカー総裁、ローガン総裁のスタンスを変更した
7名の理事について、パウエル議長は中立、ジェファーソン副議長(9月13日に就任、理事から昇格)と金融監督担当のバー副議長はハト派、ウォラー理事はタカ派、クック理事はハト派との見方は、1月時点から変わっていません。ボウマン理事は中立とみていましたが、物価抑制には追加利上げが必要という旨の最近の発言を踏まえ(図表2)、タカ派に修正しました。9月13日に就任したクグラー理事はハト派と考えています。
4名の地区連銀総裁について、シカゴ地区連銀のグールズビー総裁はハト派、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁はタカ派との見方は維持しています。一方、ニューヨーク地区連銀のウィリアムズ総裁はハト派から中立、フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は中立からハト派、ダラス地区連銀のローガン総裁はタカ派から中立に変更しました。いずれも最近の発言を踏まえての判断です(図表2)。
現状はハト派5、中立4、タカ派3名だが、弊社は米経済の底堅さが続き年内追加利上げを予想
FOMCは年内あと2回(10月31日、11月1日の開催と、12月12日、13日の開催)となりましたが、今年投票権を持つ理事7名と地区連銀総裁5名の政策スタンスは、ハト派5名、中立4名、タカ派3名となっており、この先、雇用や物価の伸びの鈍化が明確に確認されれば、年内据え置きも予想されます。ただ、弊社は米経済の底堅さは続くとみており、12月に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の追加利上げを見込んでいます。
さて、2024年は、クリーブランド連銀のメスター総裁(タカ派)、リッチモンド連銀のバーキン総裁(タカ派)、アトランタ連銀のボスティック総裁(ハト派)、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁(ハト派)の4名が輪番制により投票権を持つ予定です。メンバーの陣容が変わらなければ、ハト派5名、中立3名、タカ派4名となるため、米経済の底堅さが来年も続いた場合、政策金利は長期間据え置かれるとの思惑が強まりやすくなると思われます。
(2023年10月18日)
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