日本の外需株と内需株および高配当株の動向について
日本の外需株と内需株および高配当株の動向について
- 日経平均とTOPIXの年初来騰落率は、それぞれ-6.1%、-4.3%で、日経外需株50は-1.8%。
- 一方、日経内需株50は+9.5%、日経高配当株50は+11.7%と、相対的に好パフォーマンス。
- この傾向が続くとは限らないが、世界経済に不安が残る間は内需や配当は選好されやすいテーマ。
日経平均とTOPIXの年初来騰落率は、それぞれ-6.1%、-4.3%で、日経外需株50は-1.8%
今回のレポートでは、日本の外需株と内需株および高配当株の動向に注目します。具体的には、日本経済新聞社が算出・公表している「日経平均外需株50指数」、「日経平均内需株50指数」、「日経平均高配当株50指数」について、年初来のパフォーマンスなどを検証します。比較のため、日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)について、昨年末から昨日までの騰落率を確認しておくと、それぞれ-6.1%、-4.3%となっています。
はじめに、日経平均外需株50指数からみていきます。この指数は、外需株の動向を表すことを目的に設計した、等ウエート方式の株価指数です。日経平均構成銘柄のうち海外売上高比率の高い50銘柄から構成されます。ウェートの高い上位5業種は、電気機器、自動車、機械、精密機器、化学であり(2022年5月末時点)、昨年末から昨日までの騰落率は、-1.8%となっています(図表1)。
一方、日経内需株50は+9.5%、日経高配当株50は+11.7%と、相対的に好パフォーマンス
次に、日経平均内需株50指数を検証します。この指数は、内需株の動向を表すことを目的に設計した、等ウエート方式の株価指数です。日経平均構成銘柄のうち国内売上高比率の高い50銘柄から構成されます。ウェートの高い上位5業種は、鉄道・バス、小売業、銀行、不動産、サービスであり(2022年5月末時点)、昨年末から昨日までの騰落率は、+9.5%となっています。
最後に、日経平均高配当株50指数を確認します。この指数は、日経平均構成銘柄のうち配当利回りの高い50銘柄から構成される、配当利回りウエート方式の株価指数です。構成銘柄の指数算出上のウエートは、配当利回りに流動性(売買代金)を加味して決定されます。ウェートの高い上位5業種は、銀行、商社、保険、通信、海運であり(2022年5月末時点)、昨年末から昨日までの騰落率は、+11.7%となっています。
この傾向が続くとは限らないが、世界経済に不安が残る間は内需や配当は選好されやすいテーマ
参考までに、各指数を構成する銘柄のうち、昨年末から昨日までの期間において、上昇率の大きい上位5銘柄は図表2の通りです。今回は、日経平均外需株50指数、日経平均内需株50指数、日経平均高配当株50指数の動きを検証しましたが、年初来のパフォーマンスは、3指数とも日経平均株価とTOPIXを上回っており、日経平均内需株50指数と日経平均高配当株50指数はプラス圏にあります。
この背景には、世界経済の先行きに不透明感が強いなか、海外景気の影響を受けにくい内需や、配当に注目した投資マネーの動きがあると推測されます。ただ、図表2の銘柄をみる限り、資源価格の上昇や、インフレに起因する金利上昇の動きも、追い風になった模様です。この先も同様のパフォーマンスが続くとは限りませんが、資源価格、インフレ、世界経済の見通しにくい状況が続けば、一般に内需や配当は選好されやすいテーマと思われます。
(2022年6月29日)
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