日経平均株価のチャートポイントを確認する
日経平均株価のチャートポイントを確認する
- 過去最高値と最安値からフィボナッチ・リトレースメントが示唆する戻りの目安は、26,745円01銭。
- ただ26,000円台後半は長い目でみる必要、目先は過熱感が強いため下値目途の確認が大切。
- サポートポイントは5日移動平均線や11月6日高値などだが24,000円近辺までなら健全な動き。
過去最高値と最安値からフィボナッチ・リトレースメントが示唆する戻りの目安は、26,745円01銭
日経平均株価は週明け11月16日、先週末比266円82銭高(+1.1%)の、25,652円69銭で取引を開始しました。11月13日は反落したため、9営業日連続の上昇とはなりませんでしたが、依然強い基調を維持している様子がうかがえます。そこで今回のレポートでは、日経平均株価の主なチャートポイントを確認し、ここからの上昇余地や、調整時の下値目途などを整理します。
まず、テクニカル分析の1つであるフィボナッチ・リトレースメントを用いて、上昇余地を検証します。日経平均株価が過去最高値をつけたのは、1989年12月29日の38,915円87銭(終値ベース、以下同じ)で、過去最安値をつけたのは、2009年3月10日の7,054円98銭でした。この下げ幅(31,860円89銭)から、フィボナッチ・リトレースメントで目安とされる61.8%戻した水準は、26,745円01銭となります(図表1)。
ただ26,000円台後半は長い目でみる必要、目先は過熱感が強いため下値目途の確認が大切
なお、図表1のフィボナッチ・リトレースメントの期間は、1989年12月1日から2020年11月13日までの約31年と、かなり長期に設定しています。そのため、26,745円01銭の戻り目安も、年単位で考える必要があり、必ずしも日経平均株価が直ちに26,000円台後半を試しにいくことを示唆するものではありません。ただ、来年以降を展望した場合、日経平均株価の次なる到達点の目安になると思われます。
一方、11月13日付レポート「日経平均株価~過熱感はあるが地合いは改善」で説明した通り、このところの大幅な上昇で、日経平均株価には、かなりの過熱感がみられます。例えば、日経平均株価は現時点で200日移動平均線からプラス10%かい離した水準を大きく超えています(図表2)。過去の推移をみると、10%のかい離水準を超えた場合は調整が入りやすくなるため、ここからは注意が必要です。
サポートポイントは5日移動平均線や11月6日高値などだが24,000円近辺までなら健全な動き
調整が入った場合、25,000円台では、5日移動平均線(11月13日時点で25,200円36銭)がサポートポイントとして意識されやすいと考えます。25,000円を割り込むと、下げが加速する恐れもありますが、次のチャートポイントとしては、ローソク足チャートが11月6日と9日で「窓」を開けているため、ここを埋める下げとなれば、11月6日の取引時間中の高値である24,389円に達することも想定されます。
前述の11月13日付レポートでは、2018年以降、日経平均株価の上値抵抗線だった24,000円水準が、今度は下値支持線として作用する可能性がある点を指摘しました。日経平均株価が、この水準まで一気に下げてしまう展開も想定しがたいのですが、この近辺までの調整であれば、日経平均株価が上昇基調を維持するための健全な動きと考えることは可能であり、上向きのトレンドが大きく崩れる公算はまだ小さいとみています。
(2020年11月16日)
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