日経平均株価~過去の下落局面と反転理由を振り返る

2020/03/03

日経平均株価~過去の下落局面と反転理由を振り返る

  • 日経平均はコロナ・ショックで急落したが、過去同じような大幅下落を何度も繰り返し経験している。
  • ただいずれの局面でも各国当局が協調などで対策を打ち出したことで、その後の反転につながった。
  • 今回は政策協調が示されても感染は防げず、当面は景気への影響をいくらか和らげるにとどまろう。

日経平均はコロナ・ショックで急落したが、過去同じような大幅下落を何度も繰り返し経験している

新型肺炎の世界的な感染拡大を受け、日経平均株価は1月20日から2月28日までの期間で大幅安となり、下落率は12.2%、下落幅は2,940円55銭に達しました。わずか1カ月程度での急落となり、株式市場はパニックの様相を呈しているように思われます。しかしながら、過去を振り返ると、日経平均株価はこのような大幅下落を何度も繰り返し経験しています。

2008年以降、株価を大きく押し下げた主な出来事としては、2008年のリーマン・ショックや2010年以降に顕在化した欧州債務危機、近年では2015年のチャイナ・ショックや2018年の米中貿易摩擦問題などが挙げられます。これらが発生した期間における日経平均株価の下落率と下落幅をまとめたものが図表1です。これを見る限り、今回のコロナ・ショックによる株安は、特別大きな下落率や下げ幅ではないことが分かります。

ただいずれの局面でも各国当局が協調などで対策を打ち出したことで、その後の反転につながった

いずれの出来事も、当時は日経平均株価を大きく押し下げ、投資家心理を悪化させました。しかしながら、日経平均株価はその後、いずれも上昇に転じています。そこで、以下、いくつかの出来事について、主な反転理由を確認してみます。まず、リーマン・ショックについては、日米欧を中心に、資産買い入れなどの非伝統的な政策手段を含む協調的な金融緩和に踏み切ったことや、財政出動が、その後の株高につながりました(図表2)。

欧州債務危機について、2010年は欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)のギリシャ向け金融支援や、欧州金融安定基金(EFSF)の設立など、2012年はEFSFを通じたスペイン向け金融支援などにより、株安が一服しました。その他の出来事に関しては図表2の通りで、各国の当局が、時には協調し、積極的な対策を打ち出したことが、その後の株価反転につながっています。

今回は政策協調が示されても感染は防げず、当面は景気への影響をいくらか和らげるにとどまろう

今回のコロナ・ショックについても、各国で政策対応の動きがみられます。米連邦準備制度理事会(FRB)は2月28日に緊急声明を発表し、利下げの可能性を示唆しました。日銀も3月2日、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていくとする、黒田総裁の談話を公表しました。また、主要7カ国(G7)財務相は3月3日、中央銀行総裁も参加する形で電話会議を開催し、新型肺炎への対応策を話し合う見通しです。

過去の例を踏まえると、これらの動きは株価の反転につながりやすいのですが、今回の株安要因は、これまでとは異なる新型のウイルスです。したがって、協調的な政策を打ち出したとしても、それらは感染拡大を直接的に抑制することができない以上、景気への影響を間接的に和らげる効果にとどまります。しかしながら、いったん感染者数のピークアウトが確認されれば、緩和的な金融・財政政策は、株価の大幅な押し上げにつながると思われます。

(2020年3月3日)

市川レポート バックナンバーはこちら

http://www.smam-jp.com/market/ichikawa/index.html

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
市川レポート 経済・相場のここに注目   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

コラム&レポート Pick Up