2024 年は辰巳天井となるか
▣ 卯が跳ねた2023年
2023年の干支にちなんだ相場の格言は「卯(うさぎ)は跳ねる」でした。十干の“癸(みずのと)”は次の新たな生命が成長し始めている状態とされ、また“卯”は景気が回復し、好転するよい年になるとも言われています。
2023年の株式市場は、米国のシリコンバレーバンク(SVB)の破綻を機に広がった金融システム不安、日米の金融政策や中東情勢の緊迫化などに振らされながらも、良好な企業業績や円安、東証の株価純資産倍率(PBR)1倍割れ是正要請などを背景に、日経平均株価やTOPIXがバブル後の最高値を更新するなど、格言どおり堅調な動きになりました。
▣ 2024年は「辰巳天井」
2024年の十干は“甲(きのえ)”、十二支は“辰(たつ)”にあたり、“甲辰(きのえ・たつ)”は「成功という芽が成長していき、姿を整えていく」とされています。また、相場の格言では「辰巳(たつみ)天井」と言われ、“辰年”と“巳年”は高値を付けるとされています。
“辰年”の過去60年のTOPIXの年間の平均騰落率は十二支の中で6番目ですが、9%強とプラス、勝率については3勝2敗です(図表1、2)。“甲”については、騰落率は十干の中で6番目ですが、4勝2敗とやや勝率が上がります。また、過去4回は負けなしです(図表1、3)。
▣ 引き続き日米の中央銀行のかじ取りに注目、米大統領選も
為替が円高方向に振れた場合は重しになる可能性はありますが、2024年も良好な企業決算が続く見通しで、国内の株式市場は堅調な地合いが続きそうです。
日銀は早ければ1月、遅くても年の半ばまでにはマイナス金利解除や、長期金利をゼロ%程度(上限1%めど)に誘導するイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃に動くことも想定され、相場の重しになる可能性があります。他方、米国については、2024年の利下げについて、米連邦準備理事会(FRB)の3回の利下げ見通しに対し、市場は6回の利下げの織り込みと、大きく乖離しています。市場の織り込みが行き過ぎだった場合には、内外の金融市場が不安定な動きになる可能性があります。
11月の米大統領選挙も波乱要因になる可能性があり注意が必要かもしれません。また、中東情勢などの地政学リスク、米中関係、米国の債務上限問題などにも気を付ける必要があります。国内では、新NISA(少額投資非課税制度)が相場を押し上げるかどうか、また日銀が注目する2024年春闘も確認したいところです。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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