出遅れ気味のJリート
▣ Jリート、国内株に比べ出遅れ
日経平均株価やTOPIXがバブル経済崩壊後の高値を更新する一方、Jリート市場は東証REIT指数が一時年初来高値を更新したものの、株式市場と比べると鈍い動きが続いています。
東証REIT指数をTOPIXで割った倍率(ここでは、東証REIT/TOPIX倍率)は、1倍を大きく割り込んで過去最低水準まで低下しており、Jリートの相対的な割安感が強まっています(図表1)。
過去、東証REIT/TOPIX倍率の1倍割れの局面では、東証REIT指数が堅調な動きになり、その後1倍を回復しています。Jリートの国内株に比べた出遅れを取り戻す動きも期待できそうです。
▣ 割安感に着目した外国人投資家などの買いが入ってくるか。日銀の政策修正への警戒は重し
とはいえ、過去の東証REIT/TOPIX倍率が1倍を割り込んだ局面では、外国人投資家の買いがJリート市場を押し上げる傾向が見られましたが、足元では、日本株に視線が向いているためか外国人投資家の動きはまだ鈍い状況です(図表2)。
また、東証REIT指数は、長期金利と逆に動く傾向が強く、日銀の政策調整への警戒も上値を抑えている可能性があります(図表3)。
今後、外国人投資家の日本株への投資が一服し、出遅れ感あるJリートに目が向くかどうかに加え、日銀の金融政策にも左右される可能性があります。
長期金利については、日銀の政策修正への警戒から、一時期は不安定な動きになっていましたが、植田新総裁が大規模な金融緩和を当面続ける姿勢を示していることを受け、日銀が許容する長期金利の上限である0.5%を試す動きは出てきておらず、落ち着いた動きになってきています。
仮に、日銀が長期金利の許容変動幅を拡大したとしても、長期金利の上昇は限定的になることも想定されます。
しばらくは、Jリート市場は底堅い動きの中、上値を探る展開が続きそうです。
▣ 今後5年間の東京23区の大規模オフィスビルの供給量は過去平均を下回る見通し
他方、森ビルが発表した「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2023」によると、東京23区の大規模オフィスビルの供給量は、2023年、2025年は大きく増えるものの、今後5年間の年平均供給量については、過去平均を下回る見通しです(図表4)。
また、東京都心のオフィス空室率に先行して動く有効求人倍率も回復してきています(図表5)。
国内では入国制限解除に続き、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行する中、訪日外国人客数も急増しており、経済活動の拡大やインバウンド需要の増加なども、Jリート市場を支えることが見込まれます(図表6)。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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