IMF世界経済見通しメモ(2023年4月)
▣ 世界の成長率を0.1%ポイント引き下げ
国際通貨基金(IMF)は4月11日、最新の経済見通しを発表しました。世界経済の成長率は今年2.8%まで低迷した後、来年には3%まで緩やかに加速すると予測しています。1月の予測からは0.1%ポイント引き下げられました(図表1、2)。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)とロシアのウクライナ侵攻双方の影響を受けた世界経済は、引き続き回復基調で、中国の経済再開を受けた回復は堅調としています。
世界のインフレ率については、昨年の8.7%から今年は7%、2024年には4.9%へと、当初予想よりも遅いペースではあるものの鈍化していくとしています。また、大半の中央銀行が一斉に大規模な金融引締めを進めていることの成果が表れ始めるとみられ、物価上昇率は徐々に目標水準に戻ると見込んでいます。
▣ 米国、ユーロ圏は上方修正、日本は下方修正
米国の今年の成長率は1.6%、ユーロ圏は0.8%とそれぞれ0.2、0.1%ポイント上方修正しました。欧州の低成長は変わらずでしたが、英国に加えてドイツもマイナス予測になりました。日本は1.3%と、0.5%ポイントの下方修正となりました。中国については5.2%で据え置き、新興国は0.1%ポイント低い3.9%になりました。ウクライナ侵略で欧米から制裁を受けているロシアは、石油などの輸出収入が堅調で0.4%ポイント引き上げ、0.7%としました。
▣ ハードランディングとなる確率が大幅に上昇
見通しへのリスクは下振れ方向に大きく傾いており、ハードランディング(硬着陸)となる確率が大幅に上昇したとしており、以下のリスクを挙げています。
- 金融システム不安が増幅したり、それが多方面へ波及したりする可能性
- ウクライナでの戦争が激化し、食料とエネルギー価格がまた急上昇することで物価上昇圧力がかかる
- 変動の激しいエネルギーと食品を除くコアインフレ率が予想以上に長い間高止まりし、金融政策を一段と引き締める
- 地政学的に世界経済のブロック化が進むと、対外直接投資への影響を通じて、生産高の大幅な損失につながる
今回の見通しは、最近見られた金融システム不安が拡大しないことを前提とするベースライン予測であり、米欧でくすぶる金融不安が再燃すれば、世界の成長率はさらに2.5%まで低下するとしています。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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