円安進行を受け、再び為替介入を実施

2022/10/24 <>

▣ ドル円は一時152円に迫る動きに

米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な金融引締めを続けるとの見方から、米長期金利(10年債利回り)が上昇したことを受け、10月21日のニューヨーク市場でドル円は一時152円に迫る動きになりました(図表1)。

▣ 日本政府・日銀がドル売り・円買いの為替介入を実施

ただ、日本政府・日銀がドル売り・円買いの為替介入を実施し、146円台まで戻る動きになりました。その後は、再びドル買い・円売りが優勢になり、24日にはドル円が149円台に乗せる動きになったことから、日本政府・日銀が再び為替介入を実施した模様です。

前回9月22日に為替介入を実施した水準は145円台後半でした。一旦ドル円は下落したものの、その後はじりじりと上昇し、150円を超える動きになりました。為替介入はある程度の効果が見込まれますが、日銀が強力な金融緩和を堅持する一方、FRBは積極的な金融引締めを続ける中、ドル安・円高への方向転換は厳しい状況です。

▣ 米利上げペースの鈍化観測も

もっとも、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が21日に、「FRB当局者が11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを決める見通し。その際、12月会合で利上げペースを減速させるか、その場合には市場にどう伝えていくかが政策議論の焦点になるとみられる」と報じました。また、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁も「利上げペースを緩めることを協議し始める時期に来ている」と、12月には利上げペースが鈍化する可能性が出てきました。

米短期金融市場では、12月のFOMCでの0.75%の利上げ確率が77%程度まで上昇していましたが、足元では50%を下回っています。

11月のFOMC(1-2日)で、利上げペース鈍化が示唆されると、米長期金利の動きも落ち着き、ドル高・円安の動きが抑えられる可能性もありそうです。

FRBの利上げペース鈍化や利上げ停止が見えてくるまでは、日本政府・日銀は為替介入でしのいでくことになりそうです。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

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