日銀、大規模な金融緩和策を維持
▣ 大規模な金融緩和策を維持
日銀は7月20、21日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めました。短期の政策金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度で推移するよう誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)も据え置きました。
上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行うことに加え、ETF(上場投資信託)を年約12兆円、不動産投資信託(リート)を年約1,800億円に相当する増加ペースを上限に必要に応じて買い入れる方針も維持しました。
また、長期金利(新発10年国債利回り)が0.25%を超えないよう国債を無制限に買い入れる指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日実施する“連続指値オペの運用”に加え、フォワードガイダンス「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」も維持しました。
日銀は21日、午前に続き、午後も指値オペを通知、実施し、長期金利の上限を0.25%とするイールドカーブ・コントロールを堅持する姿勢を示しました。
▣ この決定を受けた金融市場は
今回の決定は大方の予想どおりでしたが、この金融政策決定会合を受け、長期金利は0.245%から0.230%まで低下しました。日銀の金融政策をめぐる不透明感が後退したことから、株式市場、Jリート市場も買いが優勢になりました。ドル円については、黒田総裁の会見を受けてドル買い・円売りが強まりました。
▣ 2022年度の物価見通しを上方修正、成長見通しは下方修正
あわせて公表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、2022年度の成長率が海外経済の減速や供給制約の強まりの影響などを受け、前回4月時点の見通しから下方修正されました。ただ、2023年度、2024年度は、その反動から若干上方修正されました(図表1)。
消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通しは、輸入物価の上昇やその価格転嫁の影響から、2022年度は前年度比プラス2.3%と前回4月時点の見通し(プラス1.9%)から上方修正されました。2023年度、2024年度についても引き上げられました。
日銀は物価について、2022年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、エネルギー価格の押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくと予想しています。
▣ 黒田総裁は
会合後の記者会見で黒田日銀総裁は、強力な金融緩和を堅持する姿勢を改めて示しました。
主な発言は以下のとおりです。
- 景気は新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで持ち直している。
- 必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。
- 最近の急速な円安進行は経済にマイナスで望ましくない。
- 2%の物価安定目標の持続的、安定的な実現には至っておらず、金融緩和の継続が必要。
- イールドカーブ・コントロールのもとでの金利を引き上げるつもりは全くない。
- ゼロ%±0.25%程度としている長期金利の許容変動幅についても、変更するつもりも全くない。
- 為替はファンダメンタルズを反映し安定的に推移することが最も重要。
- 今の円安はドルの独歩高。
- 金利を少し上げただけで円安が止まるとは到底考えられない。
- 円安を止めるためには大幅な利上げが必要であり、経済に大きく影響する
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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