2022年は米中間選挙の年
▣ バイデン大統領就任1年目の米株は大幅上昇
今年、バイデン米大統領の就任1年目の米株は、NYダウは11月に過去最高値を更新し、足元でもこの水準に迫る動きになっているほか、S&P500は12月23日、27日と連日で過去最高値を更新するなど、大きく上昇しました。
▣ 中間選挙の年の米株は
来年は米国で中間選挙が実施されます(11月8日投開票)。株価の上昇にもかかわらず、バイデン大統領の支持率は低迷しており、中間選挙では与党民主党の苦戦が予想されます。
過去80年間での、中間選挙の年の株価の騰落を見ると、平均騰落率は5.4%程度、勝率は6割で、大統領選の前年(平均15.4%、勝率9割5分)を大きく下回ります(図表1、2)。他の年と比べても、若干ながら見劣りがします。
▣ 過去40年間では
また、過去40年間では、前半の20年では4勝1敗、後半の20年では3勝2敗で、平均騰落率も後半の20年がやや劣ります(図表3、4)。
2002年はITバブル崩壊の影響に加え、ワールドコムなどの巨額不正経理を受けた会計不信、またイラク情勢緊迫化などから、株価が低迷しました。2018年はトランプ政権下での米中対立の深刻化に加え、中国や欧州の景気減速への警戒、トランプ大統領と議会の対立などを背景に、12月に大きく下落しました。
▣ 来年は
来年は新型コロナウイルスやインフレの動向、バイデン大統領の看板政策である気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」が成立するかなどが注目されます。
新型コロナについては、経口薬が承認されたことに加え、新たなウイルス「オミクロン株」については、入院や重症化リスクが従来株と比べ低いとの報告が相次いでいますが、感染は拡大しており、まだ安心できない状況です。
また、インフレ圧力については、原油価格上昇などの影響が薄れていき、サプライチェーン(供給網)の混乱が沈静化し、労働市場のひっ迫が和らいでいけば、徐々に弱まっていくことが見込まれます。
ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制で後手に回るとの懸念が強まると、FRBが利上げを急ぎ、利上げのペースを引き上げることも想定されます。また、テーパリング(米国債などを買い入れる量的緩和の縮小)終了後に、量的引き締め(米国債など保有する資産の圧縮)を早期に進めるとの観測が強まると、大量に供給されてきた緩和マネーが縮小するとの警戒が、市場に広がる可能性があります。
他方、1.75兆ドル規模の歳出法案については、規模をやや小さくして成立するのではないかとの見方が大勢のようです。成立すると市場を下支えしそうです。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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