東証REIT指数のレベル感
▣ 東証REIT指数は一時2,000ポイントを回復
国内でも新型コロナウイルスのワクチン接種が2月17日から始まりました。ワクチン普及で、経済の正常化が進むとの期待が広がる中、内外の政府による積極的な経済対策や中央銀行による大規模な金融緩和が継続するとの見方から、投資家のリスク選好姿勢が強まっています。また、株式市場に比べた出遅れ感に着目した投資家の買いも手伝い、Jリート市場も押し上げられています。17日は利益確定売りから値を下げたものの、前場には東証REIT指数は一時2,000ポイントを上回りました。
▣ 出遅れ感からは
とはいえ、2月に入り日経平均株価が1990年8月以来約30年半ぶりの高値、TOPIXも1991年6月以来の水準まで上昇する一方、東証REIT指数は昨年3月の水準で、コロナ前の2,250ポイントをまだ下回っており、出遅れ感が残る状況です(図表1)。
東証REIT指数をTOPIXで割った倍率の2003年4月以降の過去平均は1.17倍弱、2013年1月以降の1.18倍弱に対し、足元(17日時点)では僅かに1倍を割り込んでいます。仮にTOPIXの水準が変わらず、この倍率が1.17倍程度まで上昇すると、東証REIT指数は2,300ポイント近くまで押し上げられます。
▣ NAV倍率から見ると
NAV倍率は、Jリートが割高か割安かを判断する指標の一つで、足元では1.14倍程度と、2003年4 月以降の平均値1.2倍(月末ベース)、2013年以降の平均値1.21倍(同)を下回り、若干ながら割安な水準です(図表2)。
過去平均に対応する東証REIT指数の水準は2,050ポイント~2,060ポイント強が目安になります。
▣ 分配金利回りからは
足元のJリートの予想分配金利回りは3.7%台前半、予想分配金利回りと長期金利との差は3.6%台と、それぞれ2013年以降の平均3.78%弱、3.58%強とほぼ同水準で、居心地のいい水準ともいえます(図表3)。
もっとも、本格的に金利が上昇するまでは、利回り面での魅力は続くとみられ、もう少し低下する余地はありそうです。節目の3.5%では東証REIT指数は2,080ポイント前後が目安になります。
▣ しばらくは1,800~2,000ポイントのレンジか
Jリートの予想分配金は底打ちしており、Jリートの押上げ要因となりそうです(図表4)。他方、株価については上昇余地があるとの見方の一方、高値警戒感も強まっており、株価に比べた出遅れの面からは、株価の動きに左右されそうです。
東証REIT指数は17日に一時2,000ポイントを回復した後は、売りに押されました。出遅れ感や割安感は残るものの、しばらくは、この2,000ポイントが上値として意識されそうです。
他方、下値としては、節目の1,900ポイントや、昨年後半に上値の目安とみられていた、分配金利回り4%に対応する1,800ポイントが意識されそうです。
日銀は17日、Jリート市場の堅調な地合いが続く中でも、Jリートを前回の9億円から12億円に増額して買い入れました。日銀が、長期金利の上昇をある程度容認する、また資産買入れについてもう少し柔軟な手法に変更する可能性のある3月の政策点検なども確認したいところです。
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