トレンドは「左」へ:みんなが目指す「共同富裕」

2021/10/04

勢いを増す中道左派

世界では今、大きなトレンドが生まれています。すなわち、多くの国々で、中道左派や左派、あるいは社会民主主義の勢いが増しているのです。これはもちろん、各国の経済政策にも多大な影響を与えます。

中道左派や社会民主主義は、一義的ではありません。それでも簡略化すれば、各人の個性や民主主義を尊重しつつも、経済・社会の公平性や調和を高めるべく、国家の積極介入も認めるもの、と言えます。所得の偏り(図表1)への反省などを背景に、東西両洋で現在、そうした立場や思想が優勢となっています。

ドイツ総選挙の結果

9月26日に行われたドイツの総選挙では、社会民主党(SPD)が16年ぶりに第1党となりました。同党は、超富裕層への増税や公共サービスの向上などを掲げる、欧州大陸の代表的な中道左派政党です。

ただ、第2党となったキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とSPDとの得票差は、ごくわずかでした(図表2)。そのため今後、SPDが連立政権樹立に失敗し、CDU/CSUが政権を担い続ける可能性もあります。とはいえ、SPDや「緑の党」の躍進は、ドイツにおける左派の訴求力向上を表します。

北欧やカナダの場合

また、9月13日のノルウェー総選挙では、中道左派の労働党が、中道右派の与党・保守党を破りました。これにより、スウェーデン、デンマークを含む北欧主要3か国の政権が、すべて中道左派となります。

さらに、20日のカナダ総選挙では、与党・自由党が勝利しました。同党も、典型的な中道左派です。これを率いるトルドー首相は見栄えのする人物ですが、その人気にはやや陰りも見られます。それでも、住宅取得の補助や子育ての支援などを積極的に行う、といった、社会民主主義的な姿勢が評価されています。

米国の格差是正政策

そうした姿勢が一番わかりやすいのは、米国のバイデン政権です。1月に発足した同政権が目指すのは、低中所得層、非白人などの福利向上を強力に推進すると同時に、超富裕層の税負担を増やすことなのです。

バイデン大統領の9月16日のスピーチは、その決意を端的に表しています。米国は大企業や超富裕層に利益を集中し続けるのか、それとも、全員に利益が行きわたる経済へ変えるのか? と問いかけたのです。バイデン氏が志向するのはむろん後者であり、だからこそ現在、大規模な経済対策を急いでいるのです。

中国と日本も同方向

バイデン氏の言説は、中国の習主席が言う「共同富裕」と、実によく似ています。例えば8月17日の会議で、習氏は、少数の人々の富裕ではなく、より多くの人々が豊かになる環境を整える、と述べました。

トレンドに影響されやすい日本も、「共同富裕」へ傾斜しています。実際、10月4日に新首相となる岸田氏が掲げるのも、新自由主義(極端な資本主義)からの転換という、まさしく中道左派的な標語です。以上のように、政治体制などの表面上の違いを超えて、左寄りの姿勢が世界各国で強まっているのです。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=8&type=topics

 

 

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