独立記念日を祝して:アメリカは偉大なり

2021/07/05 <>

昨年とは様変わり

アメリカ(米国)は、1776年に英国から独立した、比較的新しい国です。その記念日7月4日を、米国の人々は今年、晴れやかに迎えました。健康と経済の危機を、乗り越えつつあるように見えるからです。

昨年の今頃は、米国でもウイルスが猛威をふるい、お祭りムードではありませんでした。一方、現在は、感染がひとまず抑えられています(図表1。ただし、米国も今「デルタ型」を警戒)。これを受け、ロックダウンは緩和され、街に活気が戻ってきています。そのことが、独立記念日を華やかなものにしています。

経済も大きく復活

経済においても、米国は、復活をとげつつあります。昨年前半の米景気は、近年で最悪の落ち込みを示しました。しかしその後の回復は目覚ましく、消費者の景況感も、着実な改善を示しています(図表2)。

それを可能にしたのは、何よりも、ウイルスの感染抑制です。それに加え、財政・金融の両輪を用いた大規模な経済対策(所得補助、利下げなど)も、景気回復に大きく寄与しています。そうした景気回復を先取りし、米国株は昨年春以降、大幅に上昇しています。金融市場の機能不全は、ほぼ回避されたのです。

世界を救ったもの

経済や金融の崩壊を免れたのは、米国だけではありません。ほとんどの国の経済は、昨年悪化したとはいえ、意外な底堅さも見せたのです。事実、世界全体の総生産は昨年、3%程度の減少にとどまりました。

この点、インターネットや電子機器の普及に救われたところが大きい、と言えます。それらのおかげで、感染防止のための外出制限下でも、大半の仕事や生活などを支障なく続けられるからです。そのようなテクノロジーの多くを発明し、かつ、世界に広げた米国の功績は、ワクチン開発への貢献にも劣りません。

米国株の展望は?

そのように、革新的な技術やビジネスモデルを生み出す活力こそが、米国の強みです。それが健在である限り、米国経済の底力は保たれるでしょう。金融市場における米国市場の主導権も、まず揺るぎません。

しかし、米国の急速な景気回復に伴うインフレ圧力の高まり、および米金融政策の引締め観測などが、当面の米国株を圧迫しそうです。一方で、バイデン政権の追加経済対策(インフラ投資策など)が、今年秋頃には成立しそうです。それによる生産性の向上が、米国株の中長期的な上昇を促す、と予想されます。

米欧の宗教的価値

ただし、米国の威信は、経済力だけによるのではありません。より根本的には、「人は皆、神の前では平等」という教えに基づく民主主義など、西洋流の価値観を保持してきたことが、米国への敬意の源泉です。

米国は、そうしたキリスト教的価値を実現すべく、主に欧州系の人々が基礎を築いた国です。そのため、共通の価値観を軸に米欧同盟の強化を図るのは、ごく自然なことです。よって、崇高な価値を軽んじる前大統領のような人物が、再びリーダーにならない限り、西洋の盟主として、米国は君臨し続けるでしょう。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/topics/

 

 

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