最近の投資テーマ:いま、欧州株も面白い
欧州株vs米国株vs日本株
今年の世界株はおおむね堅調ですが、日本株は出遅れ気味です。他方、大幅に上昇しているのが、欧米の株価です(図表1)。そして今、世界の投資家の関心が特に高まっているのは、ユーロ圏についてです。
米国の株高に関しては、比較的容易に説明できます。バイデン政権の経済対策などによって、すでに景気拡大が加速しているからです。一方、ユーロ圏景気は、域内総生産(GDP)が1-3月期まで2期連続で前期比減となるなど、かなり見劣りします。それでもユーロ圏の株高には、しかるべき理由があります。
ユーロ圏の将来展望が好転
株価を動かすのは、過去・現在の景気や企業業績よりも、それらの将来展望です。また、業績や他国の株式との比較で、当該国の株価は割高か割安か、も重要です。この両方の点において、欧州株は有望です。
実際、ユーロ圏景気は、4-6月期以降、明確な回復が予想されます。各国のロックダウンが寄与し、足元、コロナウイルスの感染が急減しているからです。また、ワクチンの調達・接種も軌道に乗りました(図表2)。これらにより経済正常化(ロックダウン緩和)が進む中、今後、景気回復の勢いが増すはずです。
ユーロ圏の株価は相当割安
割高・割安感については、ユーロ圏の株価は、米国株に比べると相当割安です。その代表的尺度であるPER(株価収益率=株価÷1株あたり企業利益。倍率が大きいほど割高)を見ると、それは明らかです。
ユーロ圏株式市場のPERは、現在約19倍です(ユーロストックス50の構成企業、予想利益ベース)。過去の平均的な水準と比べれば小さくないものの、米S&P500(約23倍)との比較では割安、と判断されます。よって、米国株の過熱感が嫌気される中でも、欧州株は比較的安定した動きが期待できます。
最近の投資テーマにも合致
また、株式市場の業種構成を見ても、ユーロ圏の株式は、少なくとも当面、有望と言えます。欧州市場の場合、米国に比べテクノロジー株の割合が低い一方、金融株やエネルギー株などの割合が高めなのです。
このことは、今年流行の投資テーマに合致しています。昨年は、インターネット化の潮流を受け、世界的にテクノロジー株の上昇が際立ちました。しかし今年は、そのような業種の割高感が警戒されています。一方、世界経済の正常化期待を背景に、金融株やエネルギー株といった景気敏感株が着目されています。
日本株についても上昇余地
さらに、インフレリスクの点でも、ユーロ圏は相対的に安心と言えます。米国に比べ、経済対策が控え目であることなどが奏功し、インフレが過熱しにくいのです(よって金融緩和も、より長期化する見込み)。
ただ、ユーロ圏も、感染については安心できません。昨年今頃も一旦収束に向かったものの、油断が感染再拡大を招いたのです。しかしその後、ロックダウンとワクチンで感染を抑え、株高を促しています。日本も、欧米並みにワクチン接種が進めば、日本株は出遅れているだけに、大幅な上昇が予想されます。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/topics/
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