来週の金融市場見通し(2026年3月16日~2026年3月20日)
■来週の見通し
イランの新しい最高指導者モジタバ・ハメネイ師が12日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を継続する方針を示したと伝わり、戦争長期化の懸念が広がっています。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利の据え置きが見込まれますが、原油高などを受けて、政策金利見通しが変化するかどうかが注目されます。他方、日銀金融政策決定会合も現状維持が見込まれますが、今後も状況をみつつ利上げを続ける姿勢を示すとみられます。引き続き、中東情勢に振らされる動きが続きそうです。
◆株価 :中東情勢や金融政策に注目
今週の日本株は、中東情勢に振らされる動きとなりました。8日にトランプ大統領が、イランに特殊部隊を投入する可能性を選択肢として検討していると発言したことを受けて、中東の紛争激化への懸念が強まり、週初は急落しました。週央には各国が協調して石油備蓄の放出を決めたことが好感され上昇する場面もありましたが、週末はイランの最高指導者がホルムズ海峡の封鎖を続けると表明したことが嫌気され、売りが優勢となりました。
来週は、中東情勢に加えて、各国の金融政策が相場を動かす材料となりそうです。中東の紛争が激化すると株価が下落し、和らぐと株価が上昇する展開が続くことが見込まれます。週の後半は、日米欧の金融政策会合を受けて、株価の変動が激しくなる可能性があります。
◆長期金利 :居所を探る
今週の長期金利は、原油高や中東情勢緊迫の長期化が国内のインフレ圧力を高めるとの警戒感から、上昇する動きになりました。円安進行が物価の上振れリスクを一段と高め、日銀の利上げを後押しするとの見方も金利を押し上げました。5年国債入札が強めの結果だったことから、一旦上げ幅を縮小したものの、原油価格の高止まりへの警戒から、再び上昇する動きになりました。
来週は、中東情勢に加え、日米の金融政策決定会合を確認しながら、居所を探ることになりそうです。軍事衝突が長期化するとの懸念が一段と強まると、国内金利にも上昇圧力がかかる可能性があります。とはいえ、一段の金利上昇局面では押し目買いも入り、金利上昇が抑制されることも想定されます。日銀会合は現状維持の見込みですが、中東情勢の金融政策への影響が注目されます。
◆Jリート :上値の重い展開
今週のJリート市場は、トランプ大統領がイランへの軍事作戦の早期終結を示唆したことを受け、株式市場とともに買い戻される場面もありましたが、ホルムズ海峡の緊張状態が継続する中、上値は重く小幅に下落しました。今週末の分配金利回りは4.732%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利の動向や中東情勢をにらみつつ、上値の重い展開を想定しています。引き続き金融機関の年度末決算に向けた売りが出ることが見込まれるほか、ホルムズ海峡の緊張状態が長期化し、原油価格がさらに上昇すると長期金利のさらなる上昇圧力となり、Jリート市場を下押ししそうです。一方、値下がりした局面では下値を拾う買いなども期待されることから下値も限定的になると見込んでいます。
◆為替:居所を探る
今週のドル円は、原油価格が急騰し、エネルギー資源の大半を輸入に頼る日本の貿易赤字が拡大するとの見方から円安が進行しました。地政学リスクの高まりを受け基軸通貨で信用力が高いとされるドルに有事の買いが続いたこともドル円を押し上げました。その後、一旦下落する場面もありましたが、戦争長期化への警戒が再燃し、再び上昇する動きになりました。
来週は、中東情勢に加え、日米の金融政策決定会合を確認しながら、居所を探ることになりそうです。軍事衝突が長期化するとの懸念が一段と強まると、円売り圧力が強まる可能性があります。また、FOMCで利下げに慎重な姿勢が示されると、ドル円が押し上げられる可能性があります。とはいえ、通貨当局による為替介入などへの警戒はドル円の上値を抑制するとみられます。
◆米国株 :中東情勢やFOMCに注目
今週の米国株は、中東の紛争が投資家心理を圧迫し、売りが優勢となりました。トランプ大統領が9日に、「(イランとの)戦争はほぼ完了した」と述べ、紛争の終結が間近に迫っているとの認識を示したことが好感され、同日の株式市場では買いが優勢でした。ただ、週末はイランの最高指導者がホルムズ海峡の封鎖を続けると表明したことが嫌気され、売りが優勢となりました。
来週は、中東情勢に加えて、FOMCが相場を動かす材料となりそうです。中東の紛争が激化すると株価が下落し、和らぐと株価が上昇する展開が続くことが見込まれます。FOMCでは政策金利の据え置きが見込まれていますが、参加者の政策金利見通しやパウエル議長の記者会見が注目されます。結果を受けて、市場の米利下げ期待が高まると、株価の押し上げ材料となりそうです。
■来週の注目点
貿易統計(2月)3月18日(水)発表
貿易統計によると、1月の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支(速報値)は1兆1526億円の赤字と、3カ月ぶりの赤字となりました。輸出金額は前年比+16.8%の9兆1874億円と5か月連続の増加、輸入金額は前年比▲2.5%の10兆3401億円となり、5か月ぶりに減少しました。国・地域別では、関税の影響により米国向け輸出が前年同月比で減少した一方、EU(欧州連合)、中国向け輸出額は高い伸びとなりました。
米連邦公開市場委員会(3月)3月17、18日(火・水)発表
3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が3.5~3.75%で据え置かれるとみられます。12月に示されたFOMC参加者の政策金利見通し(中央値)では、2026年に1回の利下げを実施するとの見通しが示されました。中東情勢を受けて、見通しが変化するか注目されます。また、パウエル議長の記者会見の発言も注目点です。政策金利見通しや議長の記者会見が、今後の利下げに前向きな内容になると、株式市場や債券市場は好感するとみられます。
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