来週の金融市場見通し(2022年7月18日~2022年7月22日)
■来週の見通し
6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比9.1%上昇と41年ぶりの高い伸びとなり、市場予想(8.8%上昇)も上回ったことを受け、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での1%利上げの可能性も出てきました。来週の欧州中央銀行(ECB)理事会では、利上げが開始される見込みです。全国・消費者物価指数など内外の経済指標や企業決算に加え、日銀金融政策会合や黒田日銀総裁の記者会見も注目されます。新規感染者数が10万人に迫っている新型コロナウイルスの感染再拡大には注意が必要です。
◆株価 :レンジの中、方向感を探る
来週は米連邦準備制度理事会(FRB)の関係者が金融政策に関して踏み込んだ発言をしてはならないブラックアウト期間に入ることから、経済指標などを確認しながら、翌週のFOMCを待つことになります。本格化する米企業決算での業績下振れには注意が必要ですが、FRBの大幅利上げの可能性が後退すると、投資家心理が上向くことも想定されます。国内の新型コロナの感染動向なども確認しながら、方向感を探ることになりそうです。
◆長期金利 :引き続き居所を探る
6月の米CPIが上振れたことを受け、FRBが利上げを加速させるとの見方が広がりましたが、景気悪化懸念から米長期金利が低下する動きも出て、国内の長期金利の押上げ材料にはなりませんでした。5年国債、20年国債入札はやや強めの結果となり、堅調な需給が確認された格好です。来週の日銀金融政策会合は現状維持の見込みですが、公表される物価見通しや黒田総裁の発言なども確認しながら、居所を探ることになりそうです。
◆為替 :堅調な展開
6月の米CPIが市場予想比で上振れしたことなどもあり、FRBによる大幅利上げ観測が高まっています。7月のFOMCでは0.75%の利上げが見込まれる一方、来週の日銀金融政策会合ではタカ派的なサプライズの可能性は極めて低く、ドル円は引き続き日米金融政策の方向性の違いを背景に堅調な展開が続きそうです。ただ、米国景気の減速懸念が高まっており、米株価の動き次第では、ドル円の上値が抑えられる可能性もありそうです。
◆Jリート :底堅いが上値も限定的か
参院選で自民党が改選議席の過半数を確保したことで政権が安定するとの期待から、買いが先行しましたが、その後は一進一退の動きが続きました。全国旅行支援については延期されましたが、代わりに県民割が延長されたことは安心材料です。長期金利が落ち着いた動きになっていること、また日銀が強力な金融緩和を維持すると見込まれることも下支え材料です。とはいえ、再拡大している新型コロナの感染動向には注意が必要です。
■来週の注目点
全国・消費者物価指数(6月) 7月22日(金)午前8時30分発表
全国・消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は5月に前年比2.1%上昇と、電気代やガス代の上昇などを受け、4月と同じ伸びを示しました。また、生鮮野菜などの値上がりが顕著になる中、それらを含む総合指数は同2.5%上昇と、高い伸びを記録しました(4月と同じ)。
6月の消費者物価指数も、コア、総合とも2%を超える上昇率を示す見込みです。ただ、生鮮食品およびエネルギーを除く指数は5月に前年比0.8%上昇と、伸びが比較的抑制されています。そのため、2%を超える物価上昇率は持続的でないとの判断から、7月21日までの日銀金融政策決定会合では、現行の政策が据え置かれる見通しです。
ユーロ圏製造業PMI(7月) 7月22日(金)午後5時発表
6月のマークイットユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.1と、一昨年の7月以来、連続で活動の拡大縮小の境目となる50を上回る結果となったものの、市場予想を下回るとともに、5か月連続で低下しました。また、総合PMIも52.0となり、昨年の3月以来、16か月連続で50を上回りましたが、市場予想を下回り、2か月連続で低下しました。
ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーの供給懸念や、食料、原油価格の高騰といった記録的なインフレなどの影響から、ユーロ圏が景気後退に陥るリスクが高まっています。7月の製造業PMIは51.0程度、総合PMIは50.9程度を想定しています。
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