来週の金融市場見通し(2022年2月14日~2022年2月18日)

2022/02/10

■来週の見通し

前週末発表の1月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数や平均時給の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融引締めを進めるとの警戒が強まりました。ただ、米国では新型コロナウイルスの新規感染者数が減少しており、投資家心理は上向いています。一方、国内では13都県へのまん延防止等重点措置が延長される見込みです。来週は、10日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)に対する米国市場の反応に振らされそうです。米小売売上高などの経済指標も確認したいところです。

◆株価 :積極的な米金融引締めは織り込み済みか

良好な米雇用統計を受け、早期の米金融引締めへの警戒が一旦強まったものの、好決算を発表した銘柄が物色されたほか、配当利回りの高さに着目した買いも入り、国内株は週央以降、堅調な地合いが続きました。来週は、1月の米CPIに対する米株の反応に振らされそうですが、すでに今年5~6回の利上げを織り込んでおり、米CPIが上振れしても影響は限定的になる可能性があります。コロナの動向やウクライナ情勢にも要注意です。

◆長期金利 :日銀待ち

長期金利は、日銀の政策変更への思わくや米金利の上昇を受け、2016年1月以来の0.225%まで上昇しました。日銀が許容する長期金利の上限は0.25%で、この水準に近づくと、指定した利回りで無制限に国債を買い入れる指値オペなどで、金利上昇を抑制するとみられます。その前に、押し目買いから低下に転じる可能性もあります。5年国債、20年国債入札、米連邦公開市場委員会(FOMC、1月開催)議事要旨なども確認したいところです。

◆為替 : ドル高地合いも一進一退

ドル円は堅調地合いの中、上値余地も限られ、一進一退の展開が続きそうです。FRBがインフレ抑制に向けた強い姿勢を示す中、米雇用統計が市場予想比で上振れしたことなどから、米長期金利は1.9%台に上昇し、ドル円も115円台で推移しています。引き続きドル円の押し上げ圧力は強いとみられるものの、早期引締め観測は足元、かなりドル円市場に織り込まれていると想定されることから、ここからの上値余地は限定的とみられます。

◆Jリート :上値を探る

新型コロナの感染拡大や長期金利の上昇を嫌気し、東証REIT指数は一時1,800ポイント台半ばまで下落も、その後は値ごろ感からの買いなどから下げ幅を縮小しました。もっとも、一段の長期金利の上昇は限定的とみられます。1月の東京都心のオフィス空室率が3か月連続で低下したことや、相対的に高い分配金利回りに着目した買いなどは下支え材料です。新型コロナの感染拡大が鈍化してくると安心感が広がることも想定されます。

来週の注目点

GDP統計(21/10-12月期、1次速報) 2月15日(火)午前8時50分発表

実質国内総生産(GDP)は、昨年7-9月期に前期比0.9%減(年率3.6%減)と、2期ぶりのマイナス成長となりました。緊急事態宣言が長引いたことなどから個人消費が前期比減となり、また、サプライチェーン(供給網)の混乱などを背景に設備投資や輸出も減少しました。

10-12月期のGDPは、前期比年率で5%超のプラス成長が見込まれます。緊急事態宣言が9月末に解除されたことを受け、個人消費が前期比増に転じたとみられるほか、供給網の混乱がやや和らいだことから、設備投資や輸出も持ち直しの動きを示す見込みです。とはいえ、今後は当面、新型コロナウイルスの感染急拡大などのため、緩慢な景気回復にとどまる見通しです。

米小売売上高(1月) 2月16日(水)午後10時30分発表

昨年12月の米小売売上高は前月比1.9%減と市場予想を下回り、10か月ぶりの大幅な減少となりました。新型コロナの感染拡大が続く中、インフレも高進しており、オンラインショッピングなどの無店舗小売りだけでなく、飲食店の売上高も減少するなど、消費への逆風が強まった模様です。

米国では、新型コロナ感染拡大への懸念は残るものの、労働市場の改善傾向が続き、賃金も前年比で大幅に増加していることなどから、今後、小売売上高の大きな落ち込みは回避されるとみられます。1月の米小売売上高は前月比1.7%増程度を想定しています。

 

 

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