来週の金融市場見通し(2021年11月1日~2021年11月5日)
■来週の見通し
来週の金融市場は、衆院選や米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた、株価の動向などに注目が集まりそうです。衆院選では自民党の議席が過半数を大きく上回れば、安定政権への期待が広がる可能性があります。FOMCについては、テーパリング(量的緩和の縮小)開始が決定されるとみられますが、開始時期(11月あるいは12月)や縮小のペースが注目されます。中央銀行から市場への大量の資金供給が鈍化するとの懸念が広がることには注意が必要です。週末の米雇用統計なども確認したいところです。
◆株価 :上値の重い展開か
日本株は、上値の重い展開が予想されます。米国の金融政策や世界景気をめぐる不透明感が、株価を圧迫する見通しです。特に米FOMCの結果が注目されるほか、中国や米国などの経済指標、および日米の企業決算を点検する必要があることから、様子見ムードが優勢となりそうです。31日の衆院選については微妙な情勢ですが、自民党が単独過半数を確保した場合、大規模な経済対策への期待が高まり、株価を押し上げる可能性もあります。
◆長期金利 :衆院選の結果やFOMCにらみ
米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の正常化を早期に進めるとの観測や、国債増発への警戒感などから、長期金利は一時0.105%まで上昇しました。ただ、軟調な株式市場の動きを受けて、やや低下する動きになりました。衆院選で安定政権への期待が広がると、国債増発への警戒が強まりそうです。FRBのテーパリング開始は織り込み済みも、早期利上げ観測が広がると、国内金利にも若干上昇圧力がかかる可能性があります。
◆為替 :円安地合いも動きは鈍そう
米国をはじめ主要国の早期金融政策正常化を織り込む動きが進んでいます。他方、日銀は21年度物価見通しを下方修正し、現状の金融政策の維持を決定しました。それを受け、基本的には円安が進みやすい地合いが続きそうです。とはいえ、米中期金利は高止まりしているものの、長期的な米景気への不透明感を反映し、米長期金利はやや低下していることから、当面、ドル円は114円を中心としたレンジ内で一進一退の動きが続きそうです。
◆Jリート : 底堅い動きが継続
東証REIT指数は、値ごろ感から買いが先行したものの、米長期金利の先高観も意識され、2,000ポイント台後半でのもみ合いが続きました。日米の長期金利上昇が一服していることに加え、新型コロナウイルスの新規感染者数が大幅に減少しており、経済活動の正常化への期待から、底堅い動きが見込まれます。とはいえ、衆院選後に政局不安が広がることや、米FOMC後に米長期金利が再び上昇することなどには注意が必要です。
■来週の注目点
家計調査(9月) 11月5日(金)午前8時30分発表
家計調査によると、実質消費支出(二人以上の世帯)は8月に前年比3.0%減と、大幅に減少しました。新型コロナウイルスの感染急拡大のほか、大雨の影響もあり、特に外食や娯楽などサービス関連の消費が落ち込みました。
9月の実質消費支出も、前年比減少が見込まれます。東京や大阪などで緊急事態宣言が継続したことから、サービス消費の低調が続いたものとみられます。ただ、感染者の減少を受け、緊急事態宣言は9月末で解除されたため、10月以降の消費支出は、回復傾向に転じる見通しです。
米雇用統計(10月) 11月5日(金)午後9時30分発表
9月の米雇用統計において、非農業部門雇用者数は前月比19万4,000人増となり、2か月連続で大幅に市場予想を下回りました。一方、失業率は4.8%と前月の5.2%から低下しました。新型コロナ感染者数は減少傾向にあるものの、娯楽・ホスピタリティー分野の雇用者数の増加幅は、足元、やや鈍化している模様です。
今後は、学校の再開や失業保険の上乗せ給付の失効や、企業がより高い賃金を提示して雇用確保に努めていることなどから、雇用者数の増加につながる可能性があります。10月の非農業部門雇用者数は前月比40万人増程度、失業率は4.7%程度を想定しています。
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