来週の金融市場見通し(2021年5月10日~2021年5月14日)

2021/05/07

■来週の見通し

日銀、米連邦準備制度理事会(FRB)ともに、4月の金融政策会合で大規模な金融緩和の維持を決めました。日銀については2023年度の物価上昇見通しは1.0%と、2%の物価目標の達成が見えない状況です。FRBについては、金融緩和の縮小への示唆はありませんでした。国内では11日までが発令期間だった東京などへの緊急事態宣言が5月末まで延長される見通しです。来週は国内企業の決算発表が佳境を迎えます。内外の経済指標に加え、緊急事態宣言が企業の業績見通しに影響するかなども確認したいところです。

◆株価 :底堅い展開か

日本株は、底堅い展開が予想されます。米国主導による世界景気の回復期待が、株価をサポートする見通しです。米国などの金融緩和策の長期化観測も、市場心理を支える見込みです。新型コロナの感染継続を背景に、東京、大阪などで緊急事態宣言が発令されているものの、外出自粛の動きは限定的であるため、景気への影響は昨年春よりも小さいとみられます。ただし、米国株などの高値警戒感が、内外の株価を圧迫する場面もありそうです。

◆長期金利 :上昇は限定的

米国で金融緩和の縮小への警戒などから米長期金利が上昇し、国内の長期金利も一旦上昇する動きになりました。ただ、FRBのパウエル議長が緩和的な金融政策の長期化を示唆したことなどから米金利が落ち着き、国内の長期金利も上昇が一服しました。日銀の2%の物価目標達成が見えない中、国内金利は低位での推移が見込まれます。緊急事態宣言の延長も金利上昇を抑えそうです。10年国債、30年国債入札も確認したいところです。

◆為替 :米雇用統計を受けドル高も

ドル円は、米長期金利との相関性が高い状況が続いています。足元、同金利は1.5%台で落ち着いた展開となっており、ドル円も109円台前半で小動きとなっています。ただ、大幅な改善が予想される米雇用統計を受け、米長期金利が上昇を再開すれば、110円を試す展開も想定されます。また、同指標が市場予想に届かなかった場合も、米景気回復の流れは変わらず、同金利の低下余地は限定的とみられることから、ドル円の下値も限られそうです。

◆Jリート :堅調地合いも上値は重いか

株式市場に比べた出遅れ感からの買いに加え、株高を受けて投資家のリスク選好が強まり、東証REIT指数は6日には一時、節目の2,100ポイントに迫りました。その後は利益確定売りに押されました。足元のJリートの予想分配金利回りは3.5%程度と相対的に高い水準です。ちなみに2,100ポイントに対応する予想分配金利回りは3.43%程度です。堅調な地合いが続いていますが、高値警戒感や緊急事態宣言の延長は重しになりそうです。

来週の注目点

景気ウォッチャー調査(4月) 5月13日(木)午後2時発表

景気ウォッチャー調査の現状判断指数(DI)は、3月に前月差7.7ポイント上昇の49.0と、2か月連続で改善しました。経済活動が正常化へ向かう動きを背景に、特に飲食関連の改善が目立ちました。

しかし、4月の現状判断DIは、悪化が見込まれます。3月中旬に新型コロナウイルスの新規感染者数が増加に転じる中、4月上旬以降、大阪府などに「まん延防止等重点措置」が適用され、さらに下旬には、東京都などを対象に緊急事態宣言が発令されました。依然として感染収束の兆しは乏しいため、景況感の低迷が当面続く見通しです。

米消費者物価指数(4月) 5月12日(水)午後9時30分発表

3月の米消費者物価指数(CPI)は、総合で前年比2.6%上昇となり、昨年2月以来、約1年ぶりに2%を超える上昇となりました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは同1.6%上昇となりました。米国では、ワクチン接種が進む中、経済活動が徐々に再開し、インフレ圧力が高まりつつあることが示唆されました。

ただ、昨年3月は、新型コロナウイルスの感染拡大により広範な事業閉鎖が行われており、物価が落ち込んでいたことから、当時との比較による影響も大きいとみられます。とはいえ、足元、物価上昇圧力は強く、4月は総合で前年比3.6%程度の上昇、コアは同2.3%程度の上昇が見込まれます。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

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