日経平均の23,000円台乗せは定着するか?
8月最終週となった今週の国内株市場は、日経平均が節目の23,000円台に乗せる場面を見せています。この23,000円台は5月以降、毎月トライしては乗せきれずに跳ね返されてきた水準ですので、今回こそ「四度目の正直」となれるかが焦点になります。
もっとも、テクニカル分析の酒田五法には、「三山(さんざん)」と呼ばれるものがあります。これは、「これまで3度チャレンジしても超え切れなかったわけだからさすがに天井だろう」という考え方ですので、この23,000円台は達成感や戻り待ち売りの壁として立ちはだかっていると言えそうです。この壁をぶち破るには市場のエネルギーが必要ですが、日々の商い(売買代金)はまだ盛り上がっていませんし、値動きの振れ幅もやや荒っぽくなっていますので、現在は上方向への相場の強さが試されている局面と考えられます。
そもそも、足元の相場上昇は米株市場の動きに牽引された面があります。先週末、パウエルFRB議長が米カンザス連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で行った講演において、米国経済の強さを主張すると同時に、過度の引き締め(利上げペースの加速)は不要と示唆したことが好感されました。
2009年7月から始まった米国の景気拡大は現在10年目に突入しているほか、今週発表された4-6月期GDP(実質・改定値)も4.2%と好調さを見せている一方で、米中摩擦や、米国の金融政策の正常化による新興国への影響(資金流出・物価上昇)も警戒され、米国景気の「そろそろピークアウトかも」という意識も燻っています。
そして、その判断目安として米国の長短金利が注目されています。普通は長期金利が短期金利よりも高いのですが、景気が過熱し、過度な金融引き締め政策が行われると、これが逆転するケースがあります。1980年以降、何度かこの事態が生じていますが、その後に景気後退局面が訪れているというのが理由です。ですので、パウエルFRB議長による過度の引き締め不要という発言は、「長短金利の逆転は当面なさそう」という安心感につながったと言えます。
そのため、しばらくは強気のスタンスで良いと考えられますが、その賞味期限は「いずれやってくる米国景気のピークアウト」と、「次第に高まりつつある米中摩擦の影響」とのバランスと意識の強さによって左右されることになります。株式市場を見渡せば、米国株と中国株がデカップリング(反対方向)になっている狭間で日本株がやや米国株寄りのところに位置している格好ですが、継続的な株価上昇には、米中両株式市場が堅調に推移することが第一条件になります。
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