思ったよりも早く入った米中通商摩擦の「次のスイッチ」
今週の国内株市場ですが、日経平均はこれまでのところ慌ただしい値動きとなっています。週初からの2日間(9日と10日)は大きく上昇し、節目の22,000円台を回復する場面を見せたものの、翌11日は再び22,000円台割れの大幅下落となりました。
今週末(13日)にオプション取引・mini先物取引のSQを控え、先物取引主導で値動きが大きくなりやすい相場地合いではあったのですが、株式市場をここまで大きく揺さぶったのは、やはり米中の通商をめぐる動きでした。
週初の株価上昇は、イベント通過による反発の面が強いと思われます。先週末の6日に米国による対中国への制裁関税第一弾が発動され、中国側も同規模の報復措置を表明しました。国内外の株式市場は、こうした事態を警戒してすでに下落していたため、いざ制裁関税が発動されると、株価は反発しました。「やはり来るべきものが来たか」という反応と言えます。
そして、「不安はまだ晴れてはいないが、次の動きがあるまでは株価の戻りを試せそう」という感じで、今週あたまに見せた株価上昇につながったと思われます。
ところが、11日の国内株市場の取引開始前に飛び込んで来た、「米国が中国に対する2,000億ドル規模の制裁関税の追加措置案を公表」という報道によって警戒モードに逆戻りした格好です。正直言って、先週末の制裁関税発動後の動き、つまり「次のスイッチ」が入るのが想定以上に早かった印象です。
この2,000億ドル規模の追加措置ですが、これからパブリックコメントの募集期間(約2カ月間)に入ることもあり、実際に発動されるまでにはまだ時間があります。期限までに米中間での交渉を前進させることができるかが焦点になります。
また、米国の中国に対する措置の大義名分は、「知的財産侵害への行動」で一貫していますが、タイミングが悪いことに、今週、米アップル社の元社員が自動運転技術に関する機密情報を盗んだとして逮捕・追訴されるという報道がありました。
この元社員は中国国籍とされ、アップルを退職して中国に戻り、中国の自動運転スタートアップ企業で働く予定だったと報じられています。米国が主張する知的財産権の保護という逆鱗に触れかねない事案でもあるため、今後の米中の交渉に影響を与える可能性もありそうです。
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