「上値追い」はしばらくお預け?
今週の国内株式市場ですが、日経平均は11月15日(水)の取引終了時点で6日続落となったほか、先週の取引時間中につけた23,000円台に乗せから22,000円台割れが見えてくるなど、株価水準も1,000円近く切り下げています。
これまで急ピッチで株価が上昇していたことや、税制改革をめぐる米国議会の動向に対する楽観視が後退したこと、また、国内企業の決算発表シーズンもピークを超えたタイミングでもあり、売りに押される場面の到来自体はさほど驚きではありません。ただ、足元の株価下落が、これまでの上昇トレンドが継続する過程の小休止なのか、それとも新たな下落局面への序章なのかを見極めることは大事です。
そこで注目されるのは、25日移動平均線がサポートとして機能できるかどうかです。日経平均のチャートを過去に遡ると、今回のように比較的早いピッチで駆け上がった局面がありました。それは、いわゆる「アベノミクス相場」が始まった時(2012年11月から2013年5月)です。約半年以上にわたって上昇トレンドが続きましたが、その途中で3回ほど25日移動平均線まで株価が調整し、この25日移動平均線がサポートとして機能して上昇を続けました。
ちなみに、この時の上昇幅は7,000円ほどですが、9月上旬から始まった直近までの日経平均の上昇幅は約2カ月間で3,700円ほどになります。今回の上昇トレンドも力強いものならば、過去と同様に、25日移動平均線をサポートにして上値追いが期待できるというわけですが、反対に25日移動平均線を下抜けて、すぐに回復できない状況となればさらなる調整が訪れることになります。
国内外を問わず、株式市場が力強い上昇トレンドを描くには相場を牽引する成長株の存在があります。日経平均が歴史的な節目を次々に突破できたのも、20年ぶりに最高益を更新したソニーなど、「稼いでいる」企業が相次いだことが大きいです。今後も稼げる見込みとなれば、株価はその期待を先取りする格好で上昇してきます。
また、株価の調整局面では、成長株の押し目買いに加え、出遅れ銘柄の買いが相場を支えられるかがポイントになります。今週は出遅れ業種とされる銀行や保険会社の決算発表がありました。特にメガバンク5行の純利益は4期ぶりの増益だったのですが、保有株式の売却益の貢献度が大きく、本業の稼ぎはかなり減少しており、あまり評価できない内容です。そのため、株価がある程度下落しないと出遅れ銘柄への買いも入りにくい状況と考えられるほか、25日移動平均線がサポートとして機能しても、先週の高値(11月9日の取引時間中につけた23,382円)を短期間で超えるには相当の買いの勢いが必要となるため、あまり上値も期待できず、株価の調整局面が思ったよりも長くなる可能性には注意が必要かもしれません。
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