5年ごとに訪れる中国のビッグイベント共産党大会
今週の国内株市場ですが、日経平均が18日(水)の取引終了時点で12連騰を見せるなど、好調さを見せています。これから本格化する決算シーズンを控えた業績期待や世界的な株高基調が続く限りは「まだまだイケる」といった見方も増えている印象です。19日(木)の取引も上昇してスタートしています。
もちろん、高値警戒感も意識され始めています。とはいえ、1兆円水準で積み上がったままの信用売り残の買い戻し余力や、今月に入ってまだ日銀のETF買いが行われていないこともあって、調整局面に入った時の買い余力期待などの需給面が支えとなって、今すぐ相場は大きく崩れそうにないというムードが足元の強気を支えているのかもしれません。
そんな相場地合いの中、日経平均が12連騰を記録したのと同じ日(18日)に、中国のビッグイベントである中国共産党の党大会が開催されました。党大会は5年ごとに開催され、指導体制メンバーや今後の政策方針などが決められます。あくまでも共産党の最高意思決定機関なのですが、中国は共産党による1党支配のため、党大会は国家の機関(国務院や全人代)よりも重要視されます。
党大会で主に注目されるのは、今後の政治方針や経済政策、そして権力体制の2つです。それと、今回は「北朝鮮が行動を起こすのでは?」という警戒がありました。過去、北朝鮮は中国のイベントに合わせてミサイル発射などを行うことが多かったからです。こちらについては北朝鮮が中国に対して党大会開幕の祝電を送ったとの報道があり、地政学的な警戒感はひとまず後退したようです。
注目ポイントの詳細については、これから具体的なことが判明してくると思われますが、習近平国家主席が党大会の開幕直後に行う冒頭演説の内容がヒントになります。習氏が行った冒頭演説は約3時間半という異例の長さでしたが、その内容については、経済、外交、内政面などで概ね想定の範囲内だった印象です。引き続き、国営企業改革や、債務問題、サプライサイドの改革、一帯一路構想などの行方を見守ることになります。
ただ、国営企業・民間企業を問わず、党の関与を強める方針については注意が必要かもしれません。演説では、サービス業の対外開放や、国営企業に民間の資本を導入する「混合所有制」についても触れていましたが、企業活動に対して中国共産党の思惑が関与してくることになり、中国のビジネス環境が良くなるのかは微妙なところです。
また、権力体制については具体的な言及がありませんでしたが、2035年までを「社会主義の現代化の基本実現」の段階、続く2035年から2050年までの間に「現代化した社会主義大国を実現する」などが演説に盛り込まれていました。基本的に中国の国家主席の任期は2期10年間で、習体制も今回の党大会で2期目に突入します。今後の5年間よりもかなり長期間の構想を強調しているということは、2期目終了後も習体制を継続させることを見据えた布石と考えることができます。
今回の党大会での決定事項はすぐに国内外の政治経済に影響を与える材料にはなりにくいかもしれませんが、時間の経過とともにボディブローのように効いてくる可能性があります。
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