「かもしれない」運転への切り替え
今週の国内株市場ですが、日経平均が節目の2万円台を回復するなど、これまでのところ堅調な展開が続いています。引続き上値の重たさは否めませんが、同じ主力株指数であるTOPIXが年初来高値を更新しているほか、国内企業決算の良い内容に素直に反応する銘柄も多いこと、「月初の日経平均は上昇する」という傾向も14カ月連続で続いているため、相場の地合い自体は悪くないといった印象です。米国株市場ではNYダウが2日(水)の取引で史上初の22,000ドル台を突破するなど、海外株市場の好調さも支援材料になっています。
とはいえ、国内外の決算シーズンも終盤に差し掛かろうとする中、さらなる上値追いの材料が見つけにくくなることが予想され、高値警戒感からの利益確定売りや相場の調整局面が意識され始めるシナリオをそろそろ警戒しておく必要があるかもしれません。米トランプ政権の運営が停滞感を強め、経済政策への期待が盛り上がらず、金融政策面でも、次回のFOMC(9月19日~20日)までにはまだ少し時間があります。
確かに、米国の株価水準は割高感が燻っています。S&P500銘柄のPER(株価収益率)は予想ベースで約18倍と、長期的な平均である15倍を大きく上回っています。8月2日取引終了時点の東証1部のPERは同じ予想ベースで15.86倍です。米国株に比べれば日本株の出遅れ感と割安感があるのは確かですが、長期的な平均をやや上回っている水準ですので、日本株のPERが米国株にキャッチアップしていくというシナリオには、米国株の基調が強いままの状態を保持することが前提になります。
ただ、現在の米国株の上昇を支えているのは、企業業績と米国景気に対する楽観視が中心ですので、バリュー面で割高感が指摘されながらも株価が上昇し続けている状況は、プラスαの材料がない限り、さほど長くは続かないと考えるのが自然と言えます
自動車の運転では、「多分、大丈夫だろう」と都合よく捉えて運転することを、「だろう運転」と呼んでいますが、その結果、「まさか、そんな事態になるとは思わなかった」といった事が起きることが多々あります。そのため、その先のリスクを想定する「かもしれない運転」の意識が大事になってきますが、8月相場入りとなり、米国株の上昇が一服し始める場面では、「かもしれない運転」に切り替えるタイミングなのかもしれません。
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