大発会の株高はスタートダッシュになるか?

2017/01/06

2017年の相場が始まりました。大発会(1月4日)の日経平均は前年末比で大きく上昇し、終値(19,594円)は昨年乗せきれなかった19,500円台をつけています。また、上昇幅(479円高)も大発会としては1996年(749円高)以来の大きさですので、幸先の良いスタートだったと言えます。

 

日本が正月休み期間中に発表された、海外の経済指標(中国12月製造業PMIと米12月ISM製造業景況感指数)の結果が比較的良好だったことを背景に、海外市場の株高とドル高(円安)が進みました。昨年末は軟調な展開が目立ち、トランプラリーの調整局面入りが囁かれていたことを踏まえると、酉年の始めも調整が警戒されながらも上昇が続く、「チキンレース」が継続している印象です。

 

これまでにも何度か指摘しましたが、今後はこれまで市場が織り込んできた米トランプ新政権への期待・思惑と現実とのギャップを埋めに行くことになります。そのギャップが大きいほど相場が荒れることになります。現実が意識されるタイミングとしては1月20日の大統領就任日と、2月9日に予定されている予算教書発表あたりが警戒されそうです。市場が好感しているトランプ新政権の政策方針は、減税・インフラ投資などの財政出動による景気刺激策と、金融規制緩和によるカネ回りのテコ入れですが、特に政策の規模感がある程度判明する予算教書発表が注意かもしれません。

 

また、トランプ氏は大統領選挙に勝利後まだ記者会見を開いていません。そのため、トランプ氏のツイッターでのつぶやきが注目され、相場の材料になることもありました。2017年も早速1日にツイートをしているほか、大統領就任の1月20日以降もツイートすると予告しています。ちなみに、トランプ氏は11日に記者会見を行うとツイッターで表明していますので、11日も注意かもしれません。

 

大統領就任後はツイッターでの情報発信と、大統領報道官による記者会見とのあいだにズレが生じるような事態になると、政権内部でのコミュニケーションに一貫性がなくなり、トランプ氏の政策や主張に対する信頼度が揺らいでしまうことも考えられます。今後は政策の情報発信と市場との対話能力も試されることになりそうです。

 

 

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