日米の株高基調はホンモノ? 再来週の米巨大IT決算と中東情勢が握る「相場の正体」

2026/04/17

今週の株式市場を見渡すと、日米で強い動きが目立っています。15日(水)の取引では、米S&P500やナスダック総合が最高値を更新したほか、日経平均も16日(木)の取引開始後に終値ベースの最高値を超える場面を見せています。さらに、TOPIXとNYダウについても、最高値には届いていないものの、中東情勢が戦闘状態になる前の株価水準を上回っています。

確かに、3月の株式市場を押し下げた中東情勢に対する不透明感は継続していますが、足元でポジティブな期待(米国とイランの和平交渉再開など)が先行していることや、本格化し始めた企業決算を好感する動き、そして、AI開発需要を背景とした関連銘柄が牽引する構図が株高に反映されている格好と言えます。

こうした株高基調はまだ続く可能性があります。そのカギを握るのは、再来週(2026年4月27日~5月1日)に予定されている、いわゆる「米ハイパースケーラー(マイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、アマゾン)」銘柄の決算です。これらの銘柄の株価は昨年(2025年)まで、AI相場を牽引していましたが、「巨額の(AI)投資額に見合った収益を得ている段階ではない」として、2026年に入ってからは伸び悩んでいました。

それに代わって、現在のAI相場を支えているのが、半導体関連銘柄や、データセンター関連銘柄です。「ハイパースケーラーはまだ本格的に稼げていないが、AI投資が続いている以上、実需に基づく恩恵を受けそうな銘柄は買える」というロジックです。再来週のハイパースケーラーの決算で、今後も旺盛なAI投資が見込まれることが確認できれば、もう一段階の株高もあり得そうですが、反対に、決算でAI投資の減速が示されてしまうと、直近で勢いよく株価が上昇していただけに、急反落していく展開も想定しておく必要がありそうです。

また、足元の株高のウラでは、いくつかの懸念材料もくすぶっています。例えば、米国とイランの和平交渉再開については、短期間で合意に至る可能性は微妙と思われます。一般的には、軍事衝突を経て優劣が決した状態で臨む交渉では、優勢な方が有利な条件を呑ませて合意に達することが可能ですが、今回の米国とイランについては、お互いの主張がぶつかりあっている状況を見ると、軍事衝突で明確な優劣が出ているわけではなく、この場合の交渉では「痛み分け」を双方で折り合えるかが焦点になってきます。

さらに、企業決算では、原油などの資源価格高騰といった中東情勢の影響がどこまで出てくるかも注目ポイントになっています。仮に、価格上昇のコスト増だけでなく、資源の調達が困難となって、生産体制にも影響が出始めてしまうと、景気減速が意識されて株式市場が再び下落基調を辿ってしまうことも考えられるため、足元の株高を牽引している銘柄以外の企業決算の動向もウォッチして行く必要がありそうです。

相場格言では、「(株価は)不安の崖を登っていく」というものがありますが、さらなる株価指数上昇の可能性が高い反面、「株高が示すほど相場が強くないかもしれない」という意識も持っておいた方が良いのかもしれません。

楽天証券株式会社
楽天証券経済研究所 土信田 雅之が、マクロの視点で国内外の市況を解説。着目すべきチャートの動きや経済イベントなど、さまざまな観点からマーケットを分析いたします。
本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

商号等:楽天証券株式会社/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195号、商品先物取引業者
加入協会:
  日本証券業協会
  一般社団法人金融先物取引業協会
  日本商品先物取引協会
  一般社団法人第二種金融商品取引業協会
  一般社団法人日本投資顧問業協会