日経平均59,000円台へ躍進。期待先行の「高市・日銀相場」を巡る期待と死角

2026/02/27

2月最終週となった今週の国内株式市場ですが、日経平均がこれまでの最高値を更新するなど、強い動きを見せています。とりわけ25日(水)の取引では前日比で1,262円の上昇となり、一気に58,000円台の半ばまで株価水準を切り上げ、翌26日(木)も取引開始直後に59,000円台に乗せる場面も見せています。

こうした日経平均の上昇を紐解くと、いくつかの要因に分解できます。

まず、先日の衆議院選挙で安定的な政権基盤を獲得した「高市政権の安心感と政策期待」や、着々と企業改革を進めてきた「日本企業への再評価」という相場の地合いが根底にある中、25日(水)の取引では、「SaaSの死」とも呼ばれたソフトウエア関連株の下落基調が一服して反発基調を見せ始めたことや、AI需要に基づく半導体関連株の好調さが継続していること、さらに、この日は審議委員にリフレ派が2名加わることになった日銀の人事案が公表されたことがサプライズとなり、利上げ観測が後退したことなどが挙げられます。このほか、エヌビディアの好決算を見越した動きも追い風となった模様です。

こうした要因を背景に、相場の勢いが続けば日経平均の6万円台超えも視野に入ってきますが、同時に急ピッチな上昇による割高感や過熱感との戦いもこれまで以上に厳しくなります。

もっとも、割高感という面では、企業業績の見通しを踏まえると、日経平均6万円という株価水準は必ずしも割高とは言い切れません。現在の市場では、来期(2027年3月期)の企業利益が10数%の2ケタの成長が見込まれているほか、当初は減益見通しだった2026年3月期も、先日までの決算シーズンを経て、わずかな増益見通しへと転じており、企業業績の回復が思っていた以上に進んでいます。

とはいえ、時間軸としては1年先の業績を現時点で先取りしているとも言えるため、今後は企業業績の進捗を確認しながら、株価水準を探って行く「答え合わせ」のフェーズに入っていくことが予想されます。さらなる業績の上振れ期待が高まれば、「6万円台からの一段高」の展開もありそうですが、期待通り、もしくは期待に届かない状況となった場合には、足元でつけた高値が当面の上値となる可能性があります。

また、25日(水)の日経平均は2.2%の上昇でしたが、TOPIXは0.71%の上昇にとどまっており、日経平均の強さだけが目立っていたことや、日銀の人事案についても、株式市場は利上げ観測の後退で上昇しましたが、国内債券市場では、10年債と30年債の利回りが上昇しており、インフレの進行や、財政悪化を警戒している様子もうかがえ、必ずしも先高感がより一層強まったわけではなさそうです。

したがって、足元の株価上昇は「勢いに乗った」面があり、今後の企業業績の動向はもちろん、高市政権の政策動向や、緊迫化しているイラン情勢やトランプ米大統領の動き、そして、AIをめぐる「脅威論」と「共存論」のバランスなどを見極めながら、株式市場が推移していくことになりそうです。

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