日本株はスタートダッシュに成功したのか?
2022年相場入りを迎えた今週の国内株市場ですが、大発会(1月4日)の日経平均が昨年末終値(28,791円)から510円上昇し、好スタートとなりました。
1月5日(水)の取引終了時点(29,332円)では、なかなか乗せきれなかった29,000円台を上回ってきたほか、テクニカル分析的には、昨年8月20日の年間安値を起点とする「三角保ち合い」の上限ライン付近に位置しています。ここを上放れできれば、3万円台など、さらなる一段高への期待も高まり、まさにスタートダッシュとなりますが、このまま保ち合いが継続していくシナリオもあり得ます。
では、果たしてスタートダッシュを実現できるかは微妙なところかもしれません。先ほども述べた通り、大発会(4日)と5日の日経平均終値は、三角保ち合いの上限ライン付近にいるわけですが、ちょうど、株価が25日移動平均線からプラス3%ほど乖離しているところでもあります。一般的な日経平均の値動きの傾向として、通常は25日移動平均線からプラスマイナス3%の範囲内を目安にして動き、大きく動くときには、さらにその範囲がプラスマイナス6%あたりまで拡大します。
昨年の日経平均の値動きを振り返ると、株価が上昇し、プラス3%あたりで株価が跳ね返されてしまうケースと、上抜けて一段高となったケースの回数はほぼ五分五分なのですが、6日(木)の日経平均は下落して始まっているため、何とかここで踏みとどまりたいところです。
また、株高の背景となった米国株の動きにも注意が必要です。米NYダウとS&P500が最高値を更新した一方で、NASDAQは下落するという場面が出てきており、相場全体として上昇していくのではなく、物色の選別が始まっています。
2021年の米主要3指数は、それぞれ、18.7%(NYダウ)、26.9%(S&P500)、21.4%(NASDAQ)と大きく上昇し、その原動力として、コロナ禍に対する「財政出動」と「金融緩和」、そしてコロナ禍からの「経済再開」が挙げられますが、2022年の米国ではその中のひとつである、金融緩和が正常化に向かいます。金融政策の正常化に伴う、米金利や為替、景気への影響はこれから見極めていくことになりますが、少なくとも、株式市場はこれまでの「金融相場」から「業績相場」へと舵を切ることは間違いなさそうです。
となると、今月中旬から本格化し始める日米の決算シーズンに対する企業業績への注目度は高くなりそうです。もちろん、内容次第では株価の一段高も期待できるわけですが、米IT・ハイテク企業の成長鈍化や冴えない業績見通しが示された場合には注意です。いわゆるGAFAMやテスラといった6銘柄の時価総額合計はS&P500 全体の時価総額の25%以上を占めるなど、多くの資金を集めている銘柄群であるだけに、これらの銘柄が崩れると、足元の相場を支えているグロースからバリューへの資金の流れだけでは抵抗できず、相場が荒れてしまう可能性も想定されるため、警戒しておく必要がありそうです。
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