日本株は業績期待で買い上がれるか?

2021/07/16

今週の国内株市場ですが、日経平均はこれまでのところ、戻り基調を辿っています。週初の2営業日で先週分の下落を取り戻すほどの勢いを見せました。さすがに14日(水)の取引では伸び悩み、15日(木)の取引でも軟調となっており、ひとまず上昇が一服しましたが、5月下旬からの基本レンジである28,500円~29,300円の株価水準の下限を意識する展開となっています。

もっとも、先週の日経平均は、株価指数連動型ETFの決算に伴う分配金の換金売りが出やすいタイミングに、週末のオプション・mini先物取引のSQ日が重なったことで下げ幅が大きくなった面があり、需給要因の足枷が外れる今週は、「買い戻し」が入ることがある程度想定できました。そのため、今後は買い戻しから買い上ることができるかが焦点になります。

そのひとつのポイントが企業業績です。国内企業の決算シーズンは、726日週から89日週にかけて本格化していきます。足元の市場では、業績観測報道をきっかけに売買が賑わう銘柄も出てきているため、決算の動向次第では株価水準を切り上げて行くことが期待できるわけですが、今回の決算を公表する企業の多くは3月期決算の第1四半期分で、最初の四半期ということもあり、業績見通しを慎重に見積もることが多いとされています。

となると、決算に対しては期待し過ぎてもいけないと考えることもできますが、逆を言えば、決算で大幅な修正が出た場合にはサプライズとなる可能性もあるわけです。個別で盛り上がっても、全体として盛り上がれるかは注目企業決算の動向に左右されると思われます。

とはいえ、日経平均3万円水準越えはさほど高いハードルではなさそうです。14日(水)取引終了時点の日経平均の予想PER(株価収益倍率)は13.92倍でした。一般的に、日経平均は12倍台から16倍台で推移することが多いことを踏まえると、足元のPERはまだ過熱気味ではないと言えます。また、この日のEPS1株あたり利益)は、日経平均÷PERで計算すると2,055円です。仮にこのPER水準を保ったまま日経平均が3万円に上昇するのであれば、EPS2,155円ですので、5%ほどの増益でも達成できることになります。

もちろん、一足先に決算シーズンが本格化する米国株市場の影響もありますし、新型コロナウイルスの動向にも左右されるため、諸手を挙げて楽観するわけには行かないと思いますが、日本株はしばらく上方向を意識した展開が続きそうです。

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