米国株の戻り基調と大統領選挙
今週の国内株市場ですが、これまでのところ、日経平均は概ね23,500円以上を維持しての展開となっています。8月以降の日経平均は23,000円~23,500円のレンジ内での推移が続いていたため、ひとまず株価水準を一段階切り上げている格好です。東証マザーズ指数についても、年初来高値を更新する動きとなり、2018年1月24日の取引時間中の高値を更新する場面を見せています。
一方の米国株についても、9月の急落から順調に反発していますが、急落前の9月の高値にはわずかに届いていません。急落そのものは「相場の過熱感の修正」ということで落ち着きそうですが、反発のきっかけとなった米追加経済政策は14日時点でまだ成立していませんし、これから本格化する企業決算を控える中、米大統領選挙の動向をにらみながらの推移が見込まれます。
米大統領選挙については、民主党のバイデン氏が優勢という見方に傾きつつ、市場の受け止め方に変化が出てきています。当初は増税や規制強化を懸念する見方から、巨額の財政出動によるマクロ経済への好影響や米中対立の緩和期待、強力に推し進めようとする政策(環境対策)をにらんだ銘柄物色など、プラス面が着目されるようになっています。
追加経済政策の成立にしても、バイデン氏勝利を見込む動きにしても、現時点では「期待の先取り感」と「いいところ取り感」が垣間見えます。追加経済政策は、金額の規模面で折り合いをつけようと、民主・共和両党で協議が続いている状況です。民主党の掲げる2.2兆ドルに対し、共和党は1.6兆ドルから1.8兆ドルに増額して譲歩の姿勢を見せるなど、事態の長期化や後ずれへの懸念がよりも、成立への期待感の方がまだ優勢です。こうした見方に変化がない限り、来週発表されるネットフリックスやマイクロソフト、P&Gなどの決算が好感される動きが加われば、米国株の一段高も見込まれます。
ただし、大統領選挙をめぐる動向は依然として不透明です。どちらが勝利したとしても、議会との「ねじれ」が生じれば、思い切った政策対応はやりにくくなるでしょうし、僅差となった場合には法廷闘争に発展して、政治的空白と混乱を招く事態も起こり得ます。また、投票日までに新たな「オクトーバー・サプライズ」が出て来ないとも限りません。
もっとも、政治的な材料は「出たとこ勝負」の面があり、少なくとも選挙期間中は短期的に株価を動かす材料になっても、長期的な株価の方向性を決める材料になりにくいと言えます。そのため、基本的には足元の相場地合いは堅調であると言えますが、しばらくはいつでも撤退できる心構えで相場に臨む必要がありそうです。
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