日本株と米国株のデカップリングはいつまで続くか?

2020/09/18

今週の国内株市場ですが、日経平均は週初の14日(月)に23,500円台に乗せて直近高値を更新するなど、株価水準を一段切り上げる格好でスタートしました。以降については、今のところ上値を伸ばせていませんが、一応は堅調さを維持している格好です。

こうした日本株の堅調さについては、米国株が軟調な中でも発揮されており、先週あたりから日本株と米国株の「デカップリング」を指摘する声も出ています。背景にあるのは、8月以降の米国株上昇の流れについて行けなかったことの裏返しや、著名投資家バフェット氏による日本の商社株買いをきっかけとしたバリュー株への買い、そして、新政権への期待を背景に、地銀再編やデジタル庁創設、携帯料金引き下げ、ふるさと納税といった関連銘柄がにぎわっていたことなどが挙げられます。

今週に入ってからの米国株市場は先週までの急落ムードが落ち着きを見せつつありますが、テクニカル分析的には、NYダウ・S&P500・NASDAQの3指数が揃って25日移動平均線を意識した攻防が続き、FOMC通過後もあまり大きな動きを見せていないなど、さほど状況は好転していません。

さらに、トレンド転換のサインとして、「平均足が転換した後にMACDとシグナルがクロスする」というのがありますが、週足のNASDAQにおいて、先週末に平均足が3月末以来の陰転となったほか、MACDがシグナルを下抜けクロスしそうな位置になっているため、米株市場の再下落の警戒感は残っています。

25日移動平均線水準までの米株下落であれば、「いったんの調整」の範囲内ですが、さらに下落が進んでしまうと、日本株についてもデカップリングと言っていられなくなる可能性も出てきます。また、為替市場が足元で円高気味であることも日本株の上値を押さえています。ここ数年の傾向を見ると、米ドル/円が105円を割り込む円高となった時に株式市場が軟調となっている場面が多く、105円がひとつの目安として意識されそうです。

新政権の誕生などで何かと国内に視線が向かいがちですが、米国株がひとつの正念場を迎えているかもしれない点には注意しておく必要があると言えます。

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