「楽観リスクオン」相場は年末ラリーへとつながるか?
連休明けとなった今週の国内株市場ですが、これまでのところ株価水準を一段切り上げる展開となっています。すでに年初来高値ゾーン入りしている日経平均はさらに上値を伸ばし、終値ベースでは昨年10月以来となる23,000円台に乗せを実現しています。
こうした株価上昇の裏には、米中関係に対する楽観的な見通しが広がったことや、それに伴って景況感や企業業績に対する底打ち・回復感が高まったことが挙げられますが、加えて各国の緩和的な金融政策スタンスやショートカバー的な需給要因も支援材料になっています。とりわけ、米FRBが先月中旬から開始した「隠れQE(短期債の購入)」による緩和策が効いていると思われ、日経平均が戻り高値を次々と上抜くような上昇になったのも、この隠れQEが実施されてからになります。
もちろん、ブレグジットや米大統領の弾劾、世界経済の減速や地政学的情勢などの懸念材料は燻ってはいるものの、ひとまずスルーされている格好になっています。それだけ米中関係の動向はマーケットにおいて際立つ存在だったことがうかがえます。
まずは、先日の米中協議における一部合意について両国首脳による署名がなされることが先決ですが、併せて12月に発動予定の対中制裁関税第4弾(2回目)の延期・取り止めが行われるのか、中国企業の華為技術(ファーウェイ)への取引規制が緩和されるのかが注目されます。
ここまでは「これ以上の悪化を食い止める」だけに過ぎませんので、事態の改善が進展するには今後も協議や交渉を重ねてさらに踏み込んでいく必要があります。足元の期待が高まっているのも、9月に発動された衣服や電気製品などに課せられた制裁関税第4弾(1回目)の撤回を検討していると報じられたことがきっかけになっています。
今年の4~5月にかけても、合意間近の段階でちゃぶ台がひっくり返された経緯があるだけに、まだまだ油断はできないものの、このまま順調に事が運べばマーケットはさらにリスクオンのムードが強まり、株式市場の舵は年末ラリーへと向かって進んでいくことになりそうです。
もっとも、上手く行かなかった場合には、すでに期待を先取りしているシナリオに狂いが生じ、これまでスルーされていた懸念材料が蒸し返されてしまうことも考えられます。株価の調整が深くなる可能性もあるため、楽観ムードに包まれながらも気が抜けない状況がもうしばらく続きそうです。
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