株式市場は「トレンドはフレンド」でどこまで堅調さを保つか?

2019/09/27

2週続けての連休明けとなった今週の国内株市場ですが、日経平均は22,000円台の水準を維持しての推移が続いています。積極的に上値を伸ばす勢いは欠けているものの、これまでのところ堅調な相場地合いと言えます。

 

先週はサウジアラビアの石油施設がドローンによる攻撃を受ける事件が発生し、中東情勢の地政学的リスクが意識される状況だったほか、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀会合といった金融政策イベントではほぼ想定通りの結果に収まったことによる材料出尽くし感、そして週末には、米国の農場を訪れるはずだった米中次官級協議の中国側代表団が予定を繰り上げて帰国してしまい、米中関係改善の期待が後退するなど、相場を取り巻く環境は決して良好ではありませんでした。

 

そんな状況下でも日経平均が株価水準を維持できたことは前向きに捉えても良いのかもしれませんが、こうした市場環境の状況は今週も特に改善されたわけではなく、さらに来月からの国内消費増税や英国のEU離脱をめぐる動向、世界景気の減速懸念なども燻っているため、決して楽観はできません。ただ、日経平均などの株価指数の中期的なチャートの形は改善を見せており、上方向の意識を強めています。「トレンドはフレンド」、「相場は不安の崖を這い登る」と言われているように、不安材料が顕在化の兆しをみせるまでは、上値をトライする展開が続くのかもしれません。

 

確かに、株式投資においてもっとも利益が狙えるのは、上昇・下落を問わず、トレンドが発生している時になります。相場が過熱感を帯びたとしても、「あとにやって来る調整局面で修正されるのだから、行けるうちに行ってしまえ」という心理で上値・下値をトライしていくのも相場あるあるです。

 

とはいえ、グロースよりもバリュー銘柄への選好のほか、材料やニュースなど「とりあえず今買える」銘柄に資金が集中したり、金やREITの価格の上昇傾向、低格付けのジャンク債から資金が流出したりするなど、リスクに備える動きも見せ始めています。

 

足元の日経平均の株価水準は節目の22,000円台に乗せ、年初来高値である424日の22,362円をうかがう状況となっており、このまま年初来高値を更新する展開も想定されていますが、ちょうど昨年の年初来高値を更新したタイミングも一年前の102日です。その後は年末にかけて株価が急落していったことを踏まえると、いざ相場が崩れた際の下落スピードの速さには警戒しておく必要はありそうです。

 

 

 

 

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