日経平均の上値を伸ばす勢い
連休明けとなった今週の国内株市場ですが、日経平均は節目の22,000円台付近での推移が続き、注目のFOMCが通過した19日(木)の取引も上値を伸ばす反応を見せています。
日経平均の連騰記録は17日(火)までの10日間でストップしていましましたが、その期間の上げ幅も1,400円近くまで迫っていましたので、急ピッチな株価上昇の一服は当然と言えますし、株価水準を保っていることは市場のムードの良さを示していると言えます。気になるのは、株価が下がったところが果たして「押し目買いの好機か否か?」ということです。
そこで、足元の株価上昇の要因を整理してみます。ざっくり分けて①米中摩擦の改善期待、②各国の金融緩和&景気対策期待、③株価の割安感と出遅れ感の修正、④先週末のメジャーSQへの需給的な思惑の4つが株価を押し上げてきました。
④については、イベント通過によりひとまず相場の舞台から降りた格好です。②については、各国の金融緩和と減速が懸念される中国の経済政策が注目されていますが、こちらも景気のアクセルを踏むというよりも、景気の悪化を緩和させることの方が中心のため、株価上昇の原動力の強さに多くを期待できなさそうです。①についても、2019年相場は米中摩擦の不安と楽観のサイクルの繰り返しで上げ下げを繰り返しており、現在は楽観サイクル入りしている状況です。この流れは10月1日の中国国慶節までは続きそうですが、継続的な株価上昇につなげるためには、引き上げられた制裁関税の税率引き下げなどの具体的な改善が必要になってきます。
となると、今後のカギとなるのは③になりそうです。先週の株価上昇の牽引役は、グロース株(成長株)からバリュー株(割安株)へと移っています。この動きは米国株市場で表れ、日本株にも波及した格好ですが、しばらくこの流れが続きそうという見方が増えてきている印象です。
グロース株とバリュー株の選択は、「何に注目して株を買うか?」の違いになります。「企業の稼ぐチカラ」で判断するのであればグロース株、「株価と企業価値との比較」で判断するのであればバリュー株というわけです。
グロース株中心の相場であれば、企業が将来稼ぐ業績への期待を先取りしていくことで株価の上値を切り上げて行きやすいのですが、バリュー株中心の相場はあくまでも株価の割安修正ですので、株価がある程度戻ってしまうと、積極的な上値追いはグロース株に比べると難しくなります。
日経平均の次の上値の目標は4月高値の22,362円になりますが、この値段は現時点での年初来高値でもあります。そこからの上値は年初来高値の更新ゾーンに入るわけですが、そもそもバリュー株へのシフトは、米中摩擦の影響などにより企業業績に対する見通しに不安が生じていることが要因のひとつになっています。そのことを踏まえると、バリュー株へのシフトだけで上値を伸ばすのは厳しく、結局は①の米中摩擦の目立った改善が必要と言えます。
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