「いつもの」材料で株価の上値はどこまで伸ばせるか?
今週の国内株市場ですが、週半ばとなる6月19日(水)の取引で日経平均は大幅高を見せました。
週明けは米FOMCを控えて様子見スタートだったのですが、ここに来て株価が戻りを試す動きに転じたのは、米利下げ期待の継続に加えて、ドラギECB総裁が追加の金融緩和策について言及したこと、そして、来週開催されるG20大阪首脳会合のタイミングに合わせて米中両首脳が会談を行うことがトランプ米大統領のツイートで明らかになったことなどがきっかけです。
結局は、金融緩和と米中摩擦改善への期待という、今年に入ってから市場に度々投入されてきた「いつもの」材料による株価上昇になります。この日の日経平均は大きく上昇したとはいえ、テクニカル分析的には3か月間の値動きの中心線である75日移動平均線の水準にはまだ届いていませんので、今後も株価の上昇が継続し、この75日移動平均線を上抜けできるかが注目されます。
注目されていたFOMCにおいては、今後の利下げへの布石を打つと同時に、景気認識についても景気減速を警戒させるような印象も与えませんでした。ほぼ想定通りの結果でしたが、バランスの取れた内容と受け止められ、株式市場の初期反応は概ね堅調だったと言えます。しばらくは7月の利下げの有無を軸に、相場を支える要因になるかが注目点になりそうです。
また、来週のG20のタイミングで行われる米中首脳会談ですが、思い出されるのは昨年11月30日から12月1日にかけて開催された前回のG20ブエノスアイレス首脳会合です。実は、この時も米中首脳会談が急遽行われ、制裁関税の税率の引き上げが90日間猶予されて協議を続けることが決まりました。今回についても、いわゆる制裁関税「第4弾」の見送りなど、何らかの合意が得られる可能性があり、実際に市場でもその期待値は高いようです。
ただし、過度な期待は禁物かもしれません。来週のG20まであまり日がなく、事前の実務者レベルでの具体的な調整があまり進められないことが考えられるほか、前回の首脳会談後に、米国の要請によってカナダ当局が華為技術(ファーウェイ)の幹部を逮捕し、米中摩擦が一時休戦どころか逆に悪化してしまい、年末にかけての株価急落の引き金となってしまった経緯もあります。
そのため、G20というイベント通過が必ずしも株式市場にとって素直なアク抜けにならない可能性があることには留意しておく必要がありそうです。
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