新年度相場の楽観ムードは「日経平均22,000円」の壁を超えるか?
名実ともに新年度相場入りとなった今週の国内株市場ですが、これまでのところ日経平均は株価水準を切り上げる展開となっています。先週は節目の21,000円台を下回る場面が散見されていましたが、今週は週初の4月1日(月)の取引で一気に21,500円台からの上値をうかがう状況となっています。
昨年末の「不安先取り相場」から年初からの「期待先取り相場」を経て、今後は「(不安と期待の)答え合わせ相場」へと移りつつある中で、幸先の良いスタートをきったと言えます。株価水準を押し上げたきっかけは米中の経済指標です。前週末に発表された中国製造業PMIや週初の米ISM製造業景況感指数など、いわゆる景気先行指標が予想よりも強かったことで安心感が広がりました。中央銀行の金融緩和姿勢が米中だけでなく、世界的に広がっている点も相場を支えています。
ただし、国内の日銀短観については、業況判断指数(DI・大企業製造業)が大幅に悪化する一方で、設備投資計画は堅調を維持するという微妙な結果となりました。「世界経済減速の影響で業況感は冴えないが、設備投資が頑張っているあいだに世界経済が持ち直せれば大丈夫」という解釈からか、日銀短観の結果を受けた国内株市場はあまりネガティブ視されなかった格好です。
このまま順調に行けば、株価は上値をトライする展開が見込まれ、日経平均も22,000円台超えもさほど難しくないシナリオに感じられます。鍵となるのは、「世界経済の底打ちからどこまで盛り返せるか?」となります。
先ほどの中国PMIの改善も、昨年から相次いで打ち出されてきた中国の景気対策の効果が表れ始めていると考えらえます。中国の景気対策の規模はすでに2兆人民元を超え、いわゆるリーマンショック(2008年)直後の「4兆元経済対策」以来の規模です。当時は中国のGDP成長率を2ケタまで押し上げましたが、今回については、先月の全人代で掲げられた目標(6~6.5%)が示す通り、中国当局の見通しはかなり慎重です。景気減速を止めることはできても、押し上げる勢いが出てくるかは不透明です。
また、日銀短観で示された国内企業の設備投資についても、19年度の見通しが強かったものの、前年度(18年)の実績見込みが前回調査(昨年12月)の15.6%から11%にかなり下方修正されています。つまり、前年に消化しきれなかった設備投資計画の分が19年度に回されただけと考えることもできますので、過度な楽観は禁物なのかもしれません。
かといって、現時点では売り込むほどの懸念材料になっていないため、足元の相場は好材料に反応しやすい状況ですので、賞味期限は限られているものの、上値を試す場面が何度か見られそうです。
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