来週開幕予定の中国全人代 今年は注目度が高い?
早いもので2019年相場も3月を迎えようとしていますが、今週の国内株市場をみると、これまでのところ、あまり売買が盛り上がらず、日経平均も方向感に欠ける展開が続いています。3月は何かと政治イベントが多く、動きづらさが感じられる印象です。
その中でも、注目の政治イベントのひとつが米中協議の行方です。最近まで見せていた国内外の株価上昇も協議進展の期待を先取りしてきた面があります。もっとも、期待感で株価が上昇している間は良いのですが、投資家が想定している期待の度合いについては温度差があります。そのため、想定以上の合意などの「サプライズ」がない限り、話が具体的になるにつれて上昇の勢いが削がれる展開もあり得ます。
また、来週からは中国で全人代(全国人民代表大会)が開幕します。毎年この時期になると、開幕時の演説で李克強首相が言及する年間の経済成長目標が話題になるというのが恒例となっているのですが、話題を集める割には株式市場に大きな影響を与えることはあまりありません。ただし、今年については少し注意が必要かもしれません。
というのも、昨年の終盤からニュース等で中国の経済政策絡みのニュースが増えてきており、実際に、預金準備率の引き下げといった金融面のサポートから減税枠の拡大、公共投資の増額と前倒し実施、家電・自動車購入時の補助金など、様々な景気対策を打ち出しています。その規模はすでに2.5兆元を超えていると言われており、かつて、リーマンショック直後2008年時のいわゆる「4兆元の景気対策」以来の大きさです。この景気対策によって中国経済が大きく回復した実績があります。
それだけに、今回の全人代での成長率目標が注目される可能性が高いと言えます。強気の目標を掲げてくれば、自分たちの経済政策に自信があることの表れですし、反対に弱気の目標であれば、米中摩擦の影響や中国の景気減速を懸念していることを示すことになります。予想では6%前後だろうと見る向きが多いようですが、出てくる数字によっては、株式市場のムードを左右するかもしれません。
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