日本株は「戻りの2段階」に入ったのか?

2019/02/15

連休明けで4営業日となる今週の国内株式市場ですが、13日(水)の日経平均終値は21,144円となり、終値ベースで昨年1218日以来の21,000円台乗せとなりました。先週末は大幅下落を見せていただけに、ガラリと相場のムードが変わった印象です。

 

なかなかタッチできなかった21,000円台を突破したことで、今後のさらなる株価の戻りを期待する声も増えてきそうですが、足元の株価上昇は、米国で暫定予算案が合意される見通しとなり、米政府機関の再閉鎖が回避できるとの観測が広がったことと、11日から行われている米中の次官級協議への期待が高まったことを背景に米株市場が上昇したのがきっかけです。

 

そもそも、この日経平均21,000円台というのは、株価水準で見ると、(1)昨年10月に高値をつけてから始まった株価下落第1弾の下げが止まったところ、(2)昨年12月下旬の株価下落第2弾が始まったところ、(3)昨年10月高値と12月安値の下げ幅の38.2%戻しのところになります。また、213日は21,000円台に乗せたとはいえ、75日移動平均線に上値が抑えられています。

 

つまり、株価の戻りと言っても、21,000円台までは「下落トレンドの範囲内での株価の戻り」と考えられ、ここから先は「トレンド転換に向けた株価の戻り」になると見ることができます。株価材料についても、「買い戻し」から「買い上がる」ものが今後求められることになりそうです。

 

確かに、米暫定予算の合意は不安を後退させる材料ではありますが、3月になると連邦政府の借入額が法律で定める「債務上限」の到達が待っています。そして、債務上限の引き上げについて議会での調整が行われるのですが、これが難航してしまうリスクが燻っていますし、米中協議についても、少なくとも「期限までに交渉がまとまらず、関税引き上げられる」という最悪のシナリオは回避できそうなものの、協議期間の延長など、「課題先送り」となる可能性があり、必ずしも大きな改善が見込める状況ではないというのが実情です。

 

そのため、戻りの第1段階をクリアした国内株市場ですが、次の第2段階にステップアップするには、もう少し時間がかかるのかもしれません。

 

 

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