日経平均2万円台の定着がポイント
いよいよ2017年度上期も終了し、10月からは下期入り。北朝鮮問題や円高などで上値が重かったマーケットだが、意外にも9月にスルスルと2万円の大台を回復してきている。さて、遅くなったが8月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。
8月のマーケットは米国市場の上昇に対して、日本市場は下落する展開となった。
米国市場は5か月続伸し、NYダウは過去最高値を更新。NYダウは初の22000ドル台と過去最高値を更新。7月の雇用統計は+20.9万人と予想の+18万人を上回り、失業率は4.3%と0.1ポイントの改善。平均時給も前年比+2.5%と予想を上回ったため幅広く買われる。北朝鮮情勢の緊迫化、白人至上主義団体のデモやスペインのテロ事件でリスクオフムードになるものの、主要企業の4-6月期の決算が+10%と好調で利上げ鈍化の観測から月末にかけて買い戻しに。8月のNYダウは21948ドルと前月より57ドル上昇し月間騰落率は+0.3%。ナスダックは6428となり80ポイント上昇の+1.3%となった。
東京市場は続落。FRBの利上げに対する慎重姿勢でドルに先安感。決算発表がピークを迎え個別物色の動きとなるものの、マーケット全体の押し上げには至らず。北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したことに加え、弾道ミサイルが日本列島上空を通過したため日経平均は一時19280円まで下落、為替は108.30円の円高に。その後は欧米高や北朝鮮情勢の落ち着きで買い戻しの展開に。売買代金は2.2兆円程度と低水準で推移。為替は先月末の110.50円から今月末は110.60円へ。8月の日経平均は19925円で取引を終え、7月末の19925円から278円下落し月間騰落率は-1.4%、Topixは-0.1%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+3.2%、マザーズ指数は-4.7%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における8月のパフォーマンスは-0.1%となり、年初来+3.6%、累計では+145.0%(7月末+145.2%)とやや後退。8月末時点のポートフォリオの株式比率は70%で19銘柄を保有(7月末は69%で19銘柄を保有)。株式部分の含み益は+15.2%(7月末は+15.3%)。70%のうち現物株のウェートは30%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計70%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-35%。トータルでは35%のロングポジションとなり、7月末の34%から上昇した。
8月も米国市場は過去最高値を更新した。FRBの利上げペースが緩やかになるとの見方が一段と強まったためドル売りが広がり、好業績の米国企業にとっては一段の追い風となった。一方、日本株は円高に阻まれ相場全体が上昇しない状況。北朝鮮情勢が追い打ちをかける形に。最終週で7週ぶりに反発したが、売られ過ぎによる買い戻しの域を出なかった。
9月は今年最大の金融イベントであるFOMCがおこなわれ、10月からの保有資産の縮小が決定された。FRBは08年11月から14年10月までの量的緩和で米国債や住宅ローン担保証券を大量に買い入れ、保有資産量が9千億ドルから4.5兆ドルまで膨張。10月から3カ月の縮小幅は米国債が月60億ドル、住宅ローン担保証券は月40億ドルと小規模にとどまるため、マーケットへの最小限の影響に考慮された形となった。
FRBが資産を圧縮すれば金利に上昇圧力がかかり、利上げとともに二重の金融引き締めとなる。ドル買い・円売りが起こりやすく、日本株にとってはプラス材料。為替は9月初旬に107円台まで円高となっていたが、現在は113円台まで戻した。
「日経平均の2万円回復がポイント」と弊社の会員向けレポートで述べていたが、早々に達成。今後は2万円台の定着が課題となる。米国のテーパリングでマーケットが下落し、ポートフォリオのショートポジション増大というシナリオも考慮していたが、しばらくはその必要はなさそうである。個別銘柄選別によるパフォーマンスの積み上げに邁進したい。
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