正念場を迎えつつある株式市場

6月もいよいよ今日が最終日となり、今年もはや半年が経過した。全国的に梅雨入り後、あまり雨が降らない状況が続いている。いよいよ7月を迎えるが、さらに真夏のような気候になる天気予報が出ているため、熱中症には要注意である。外出時には帽子をかぶったり日傘を差したりして直射日光をできるだけ避け、水分補給を怠らないようにしたい。

さて、遅くなったが5月のモデルポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

5月のマーケットは日米市場ともに上昇する展開となった。

米国市場は続伸。4月の雇用統計は+21.1万人と予想の+18.5万人を上回り、失業率は4.4%と10年ぶり水準まで低下。5月のFOMCは金利引き上げを見送り現状維持で据え置くとともに、1-3月の景気減速は一時的との見方を示す。1-3月期の企業業績は15%程度の増益となり好調。一方、トランプ大統領とロシアとの不透明な関係を巡るロシアゲート問題への懸念から政治運営への不安が高まる。債券が買われ長期国債の利回りは一時2.10%にまで低下。5月のNYダウは21008ドルと前月より68ドル上昇し月間騰落率は+0.3%。ナスダックは6198となり151ポイント上昇の+2.5%となった。

東京市場も続伸。フランス大統領選挙でのマクロン氏の勝利により、114円近くまで円安が進みリスクオンの展開に。5/8の日経平均は450円高と急騰し、3/13以来2か月ぶりの年初来高値を更新。日経平均は19988円まで上昇し2万円の大台にあと一歩。しかしながら、ロシアゲート問題でリスクオフの姿勢が強まり110円台後半まで急速に円高が進行。売買代金は2.5兆円程度で推移。為替は先月末の111.25円から今月末は111.00円へ。5月の日経平均は19650円で取引を終え、4月末の19196円から454円上昇し月間騰落率は+2.4%、Topixは+2.4%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+6.4%、マザーズ指数は+7.2%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」   における5月のパフォーマンスは+1.4%となり、年初来+1.7%、累計では+140.6%(4月末+137.2%)と前進。5月末時点のポートフォリオの株式比率は67%で19銘柄を保有(4月末は66%で19銘柄を保有)。株式部分の含み益は+12.4%(4月末は+10.2%)。67%のうち現物株のウェートは27%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計67%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-35%。トータルでは32%のロングポジションとなり、4月末の31%から若干上昇した。

5月の日本株は戻り歩調の展開となった。ただし、為替が思ったほど円安方向には進まず、じりじりと円高へ進展しているため上値が重い状況にある。日経平均は一時2万円台寸前まで上昇したが、結局は19600円台で着地した。

6月のマーケットにおいて日経平均は久々に2万円台を回復したが、6/20に20230円を付けた後は上値が重く上昇基調に至っていない。最近の弊社のレポートで度々述べているように、6月の米国利上げ実施後の7月以降は「材料出尽くし」「世界経済の不透明感」「地政学リスク」などを受けて、ややダウンサイドリスクが強い展開となる可能性がある。その兆候が出てくるかどうか、これからの動きに注目していきたい。世界的にも株式市場は正念場を迎えつつあるとの認識をしている。

もしダウンサイドリスクのシナリオが濃厚になれば、現物株の売り、インバース型ETFの買いなどでロングポジションを極力引き下げる措置を取る方針である。

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