NYのバブル相場について行けず

今年も早や2カ月が経過した。あちらこちらで春の兆しが感じられる嬉しい季節となったが、日本の株式市場は一方的に「耐え忍ぶ」展開が続いている。さて、遅くなったが1月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

1月のマーケットは米国株の上昇に対して、日本株は反落する展開となった。

米国市場は3カ月続伸してNYダウは史上初の2万ドルを突破。トランプ大統領が就任後に次々と選挙公約の施策に取り組み買い優勢に。12月の雇用統計は+15.6万人と予想の+17.5万人をやや下回ったものの時給は前年比+2.9%と高い伸び。製造業・非製造業景況感指数は堅調となる一方、12月の小売売上高は+0.6%と予想の+0.7%をやや下回り、1月の消費者態度指数も低下。1月のNYダウは19864ドルと前月より101ドル上昇し月間騰落率は+0.5%。ナスダックは5614となり231ポイント上昇の+4.3%となった。

東京市場は小反落。大発会は大幅高となり日経平均は21年ぶりの479円高でスタート。だが、トランプ氏の大統領就任前記者会見を受けて失望感。為替が一時112円台まで円高となり、日経平均先物は19000円を割る場面も。ただし円高でも株式市場は底堅い動きを見せ、とりわけ新興銘柄が買われ個人投資家が活発な商い。売買代金は2.4兆円程度で推移。為替は先月末の116.65円から今月末は113.80円へ。1月の日経平均は19041円で取引を終え、12月末の19114円から73円下落し月間騰落率は-0.4%、Topixは+0.2%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+4.7%、マザーズ指数は+5.4%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における1月のパフォーマンスは-0.3%となり、年初来-0.3%、累計では+135.8%(12月末+136.6%)と前進。1月末時点のポートフォリオの株式比率は67%で19銘柄を保有(12月末は60%で16銘柄を保有)。株式部分の含み益は+8.2%(12月末は+9.7%)。67%のうち現物株のウェートは27%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計67%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-35%。トータルでは32%のロングポジションとなり、12月末の25%から増加した。

1月にようやくNYダウが2万ドルを突破したため、警戒感の強いマーケットとは打って変わってリスクオンの展開となった。1カ月以上にわたってNYダウは2万ドルの大台を試したもののあと一歩に及ばなかった。このタイミングで2万ドルに乗せた理由は、トランプ大統領が矢継ぎ早に大統領令を発令したことにある。独断色が強いものの「有言実行」のトランプ大統領をマーケットは好感している。一方、これまで為替の動きに振り回されていた日本の株式市場は、為替の動きが止まったにも関わらず上昇トレンドを描いたため、両者の動きに独立性が見られた。

日本企業の3Qの決算は可もなく不可もなくといったところだ。「円安メリット→上方修正」のシナリオが期待されているが、事前の為替予約などもあって市場が期待するほどの好循環には結びついていない。

2月に入ってからは非常にジレンマの強い相場展開が続いている。米国市場は1987年1月以来の30年ぶりとなる連続での過去最高値を更新する一方、本来ならばドル高・円安が進むはずがそうはならず、円高に阻まれて日本株はほとんど上昇しない状況にある。2/24における為替は112円ちょうどレベルまで円高となっており、マーケット関係者の多くが期待していた115円からはほど遠い状況となっている。

今週はトランプ大統領の議会演説後の米国市場の動向か注目される。「驚くべき減税」という表現に対して、実際どのような減税策が出てくるかが焦点になる。市場が期待しているほどの内容でなければ、米国市場の調整は避けられず、日本株も売られる展開になる可能性が高いため注意が必要である。非常に重要な1週間となりそうだ。

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