戻り相場に転換の兆し
4月もいよいよ終盤に差し掛かってきた。今年も早くも1/3が経過したことになる…。改めて時の流れの早さを感じる。今年のGWは日並びが良いため、日常から離れてゆったりと過ごしたいものだ。さて、遅くなったが3月のモデルポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。
3月のマーケットは日米市場ともに上昇する展開となった。
米国市場は続伸。2月に26ドル台まで下落していた原油先物価格が40ドル台を回復し安心感。2月の雇用統計は+24.2万人と予想の+19万人を上回ったものの賃金の上昇率はマイナスに。FOMCは3月の利上げを見送ると同時に今後の利上げについても慎重な姿勢を示したため、NYダウは世界の先進国市場に先駆けて年初来高値を記録。2月のNYダウは17685ドルと前月より1168ドル上昇し月間騰落率は+7.1%。ナスダックは4869となり311ポイント上昇の+6.8%となった。
東京市場は4か月ぶりに反発。年初から続いていた総悲観的な投資家心理が後退。買い戻しの展開となり日経平均は一時17200円台を回復し2/2以来1か月半ぶりの高値に。米国の利上げペースが鈍化する見通しとなったことで為替は110円台まで円高が進んだものの、その後はタカ派的な要人発言が相次ぎ一時は113円台まで戻しボラティリティの高い展開に。売買代金は2.2兆円前後の低水準で推移。為替は2月末の113.00円から112.50円へとやや円高が進行。3月の日経平均は16758円で取引を終え、2月末の16026円から731円上昇し月間騰落率は+4.6%、Topixは+3.8%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+6.4%、マザーズ指数は+21.7%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における3月のパフォーマンスは-0.1%となり、年初来-5.1%、累計では+140.2%(2月末+140.5%)とやや後退。3月末時点のポートフォリオの株式比率は55%で18銘柄を保有(2月末は55%で18銘柄を保有)。株式部分の含み益は+11.8%(2月末は+12.1%)。ただし、55%のうちダブルインバースETFの投資比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETFの10%は株式ではないため、純粋の株式のロングウェートは55%ではなく-10%である。
3月は久々に買い戻しの展開となった。ただし、外国人投資家は日本株売りを継続しており、グローバルポートフォリオの中での日本株の投資ウェートを下げる措置を取った。これは、アベノミクスへの懐疑的な見方と、欧米企業に対して日本企業の業績減速感が強まったと判断しているためである。加えて、米国の利上げペースが鈍化することによるドル売り、円買いによる円高トレンドが続くという見方が根強いことも日本株不人気の要因である。
4月は取引初日に594円下落の大幅安となり投資家心理が悪化し日経平均は15400円台まで下げたものの、円高の流れが一服して107円台前半から111円台まで下落したことや日銀の金融緩和への期待感から第二週に1027円高と急反発、そして第三週も日経先物へのアルゴリズムによる継続的な買いが入り日経平均は2/2以来2か月半ぶりの高値になった。しかし、日銀の追加金融緩和がないと報じられると急落するという激しい展開となっている。
4/1に発表された日銀短観において「想定為替レート117円にて大企業が2%の経常減益予想」との見方が示された。現在の為替水準からすると、17/3期の企業の為替レートは105~110円程度を想定する必要がある。すでに始まった決算発表の業績予想はかなり厳しい状況であり、期初予想ベースで2ケタ減益の可能性があるため、企業業績に対する警戒感はどんどん広がっていくだろう。
現在のマーケットは大きな下落トレンドの中での反発局面であり、再び株価が下落する可能性が高い。したがって、マーケットが単発的に上昇すれば、現物株のウェートの引き下げとダブルインバースETFの買い増しをおこなうなどして、さらなるダウンサイドリスクへの対応をするのが賢明だろう。
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