一息つきたい株式市場

桜の開花宣言がちらほら聞かれるようになった。まだ雪の降る地域もあるが、確実に春になりつつある。

さて、2月のモデルポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。
2月のマーケットは日米市場ともに高値追いの展開。

米国市場は大幅反発し、過去最高値を更新。1月の雇用統計は+25.7万人と予想の+23万人上回り、11月と12月の数字も大幅上方修正。ウクライナの停戦合意やEUによるギリシャへの4ヵ月の金融支援延長が決定し、リスク懸念がやや後退。原油価格は下げ止まり50ドル前後で小動きに。ナスダックはインターネットバブル時代の高値に迫った。2/26時点の2月のNYダウは18214ドルと前月より1076ドル上昇し月間騰落率は+6.3%。ナスダックは4987となり351ポイント上昇の+7.6%となった。

日本市場は続伸し、15年ぶりの高値を回復。原油価格の落ち着き、海外市場の上昇、外人投資家の買いに加え、為替が先月の115円台から119円台まで円安が進んだことで安心感。公的資金による買い支え期待もあり、利益確定売りをこなしながらボラティリティが低下した。売買代金は連日の2兆円超えで活況が続いた。2月の日経平均は18797円で取引を終え、1月末の17674円から1123円上昇し月間騰落率は+6.4%。またTopixは+7.7%上昇した。一方、小型株市場はジャスダック平均が+3.3%、マザーズ指数は-0.5%となった。年初から大型株優位の展開が続いている。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における2月のパフォーマンスは+6.8%となり、年初来は+3.1%、累計では+156.2%(1月末+140.0%)となり昨年11月以来の過去最高値を更新。保有株式のウェートは1月末の80%から85%へ上昇。ヘッジ戦略をおこなっていないためネットロング比率は85%である。ポートフォリオにおいて新高値を付けた銘柄が先月の4銘柄から10銘柄へと増加した。先月に続いて内需系の銘柄の活躍が目立った。

日経平均は2007年2月の高値18300円を8年ぶりに抜いて上昇相場に入っている。インターネットバブル時代の水準を15年ぶりに回復したことで、これまで日本株に興味を失っていた海外投資家の買いが大量に入ってきており需給関係は改善している。ウクライナ情勢やギリシャ問題といった外部要因も沈静化し、世界的な金融緩和による金利の低下でグローバルでの株式市場はますます上値追いの展開となっている。

日経平均は3月に入って2000年4月14日以来の15年ぶりの高値となる19500円台を回復して年初来高値を更新。米国の金融政策の行方が注目されたが、利上げは9月頃まで行われないとのコンセンサスが固まりつつある。日経平均は2万円の大台まであと+3%弱に迫った。

3/26は前日の米国市場の大幅安を受けて、日経平均も275円安と久々の下落となった。先週まで日経平均は9週連続の陽線を付けていたため、一息つきたいところだ。一直線の上昇だけだと大きな下落を引き起こす。大きくジャンプするためには、所々で休息が必要である。

19000円台は過去の売買高が非常に少ない真空地帯のため、売り圧力が少ない。3月~4月中にも2万円台を付ける可能性がある。ただし、より重要なポイントはTopixの動向だ。2007年2月の高値1832ポイントへはまだ+16.8%とかなり距離があり、この水準を回復するまでは、本当の意味での高値追い相場とは言えないだろう。

モデルポートフォリオは3月に入って+160%のレベルまできたが、当面の目標である累計パフォーマンス+200%の達成を目指しつつ、着実に運用資産の積み上げをおこなっていきたい。

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