久々のパニック相場をチャンスに変えよう

2020/02/28

連日新型コロナウイルスのニュース一色となり、世界各国に感染が広がっている。さすがの米国市場も大きく崩れ、日本市場も投げ売り状態となっている。今週に入って政府は学校の休校を要請するようになったが、まずもってやらないといけないことを放置していないだろうか。いまだにウイルス感染者の一番多い中国からの渡航を容認しているのは大問題だと思う。開けっ放しの扉を閉めずに、家の中でいくら花粉症対策をしても仕方がない。米国では1月末に実施しているようにまずは扉を閉めることだ、PCR検査においても韓国は日本の60倍もの検体を検査する体制を取っている。発熱や咳の症状が出ても検査すらやってくれない…というのはあまりにもお粗末すぎる。それにしても国会議員の方々がほとんどマスクをしていないのが不思議だ。国会からも感染者が出て失態を演じると私は思っている。さて遅くなったが、1月のポートフォリオの状況と2月の近況について記したい。

1月のマーケットは日米市場ともに下落する展開となった。

米国市場は5ヶ月ぶりに反落。米中貿易協議の第一段階の署名が正式におこなわれ、12月の雇用統計は予想+16万人に対して+14.5万人とやや下回るものの失業率は3.5%と50年ぶりの低水準。11~12月の年末商戦での小売売上高は+4.1%と好調だったことから買い優勢で主要3指数揃って過去最高値を更新。しかし、月後半は中国で発生した新型肺炎の感染拡大懸念で売り優勢となり、1/27のNYダウは453ドル安と昨年10/2以来の下げ幅を記録。1月のNYダウは28256ドルと前月より281ドル下落し月間騰落率は-1.0%。ナスダックは9150となり178ポイント上昇の+2.0%となった。

東京市場も5か月ぶりに反落。米国高、米中協議進展、110円台に進んだ円安を背景に買い優勢となるものの、新型肺炎への警戒感から急転直下し、3Qの決算発表を控えて様子見ムードが広がる。1/27日経平均は483円安と今年最大の下げ幅となり、1/30にも401円安に。為替は先月末の109.15円から今月末は109.05円と小動き。売買代金は2.1兆円程度で推移。1月の日経平均は23205円で取引を終え、12月末の23656円から451円下落し月間騰落率は-1.9%、Topixは-2.1%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が-2.9%、マザーズ指数は-8.3%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における1月のパフォーマンスは-1.6%となり、年初来-1.6%、累計では+157.9%(12月末+162.0%)と後退。1月末時点のポートフォリオの株式比率は78%で31銘柄を保有(12月末は75%で29銘柄を保有)。株式部分の含み益は+27.3%(12月末は+31.4%)。78%のうち現物株のウェートは42%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計84%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするためロング比率は-25%。トータルでは59%のロングポジションである。

2月のマーケットは中旬までは反発して日経平均は24000円台回復まであと一歩のところまでいったものの、最終週において大きく崩れた。SARS発生時を振り返ると、2002年11/16に中国の広東省で新型肺炎の患者が発生する前の日経平均は8340円、そこから騒動が大きくなって4/28には7607円まで下落して9%の下落を記録。今回の新型肺炎がクローズアップされる前の日経平均24000円に対して9%下落を当てはめると21800円程度となる。2/28において21000円ちょうどのレベルまで下げており、下落率は12%とすでに上回っている。先進国における感染拡大が爆発的になれば損失を抱えて売らざるを得ない投資家が激増し、「売るから下がる、下がるから売る」の連鎖になりかねず、下値メドは予測しづらい。

とは言うものの、こうしたウイルス拡大は一時的な現象で終息するのが歴史の鉄則であり、いずれ正常化して大きく反発する。したがって、この久々にやってきたパニック相場は長い目で見ると「買い」の好機と捉えなければならない。運用におけるキャッシュコントロールについては常々言ってきたが、投資比率を高める戦略を実践できる投資家はうまくいくと思う。前向きな姿勢が大事である。

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