いよいよ動き出した小型成長株
いよいよ11月も最終日となった。これであと残すところ今年も1ヶ月のみ。11月はマーケット全体の動きとしては9月や10月に比べておとなしかったが、水面下では大きな変化が起こった月だと考えている。さて遅くなったが、10月のポートフォリオの状況ならびに11月の近況について記したい。
10月のマーケットは日米市場ともに上昇する展開となった。
米国市場は続伸。9月の雇用統計は+13.6万人と予想の+14.5万人を下回ったものの、失業率は0.2ポイント改善の3.5%と50年ぶり低水準。米中貿易協議で中国が農産品の購入をする一方、米国が関税引き上げを見送る方針となり買い優勢。FRBが0.25%の追加利下げを決定したため安心感。長期金利は1.5%台から1.7%台へ上昇。好決算のインテルやアップルが買われる。10月のNYダウは27046ドルと前月より129ドル上昇し月間騰落率は+0.5%。ナスダックは8292となり293ポイント上昇の+3.7%となった。
東京市場も続伸。月初こそ米国安やマクロ経済指標の悪化を受けて売り優勢となったものの、米国高や米中協議の進展、イギリスのEU離脱合意案のニュースなどを好感し日経平均は昨年10/11以来の高値で22000円台を回復。インテルの上方修正で半導体関連が買われる。決算発表は下方修正が目立つものの今後の底入れ感に期待が広がる。大型株の買い戻しが目立ったものの、小型株にも徐々に資金が集まる兆候。為替は先月末の108.05円から今月末は108.60円へ。売買代金は2.1兆円程度と閑散状態。10月の日経平均は22927円で取引を終え、9月末の21755円から1171円上昇し月間騰落率は+5.4%、Topixは+5.0%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+3.9%、マザーズ指数は-0.2%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における10月のパフォーマンスは+5.1%となり、年初来+8.6%、累計では+153.5%(9月末+141.3%)と前進。10月末時点のポートフォリオの株式比率は72%で25銘柄を保有(9月末は70%で25銘柄を保有)。株式部分の含み益は+17.8%(8月末は+12.9%)。ただし、72%のうち現物株のウェートは38%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計78%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは53%のロングポジションである。
10月も日米市場ともに堅調なマーケットとなった。米国企業、日本企業ともに決算発表が佳境を迎え個別銘柄のファンダメンタルズがより注目される展開となった。好決算銘柄は素直に買われ、失望的な決算の銘柄は大きく売られており健全な状況にある。日米株価格差は9月末の5161ポイントから10月末は4119ポイントへと大きく縮小。一時は6000ポイントもの開きがあったため大きな改善が見られた。
FRBは3度目の利下げを実施したため、マーケット全体としてはしばらく何も動かない可能性が高い。一方、米中貿易協議は相変わらず一進一退が続いている。したがって、ハロウィンを過ぎてからの相場は全体の動向というよりも個別の動きが重要になってくると思われる。このところレポートで何度も言及しているグロース系小型株を引き続きウオッチしていきたい、というのが10月末時点での我々の見解であった。
11月に入っても派手さはないものの日米市場は堅調が続いており、NYダウは28000ドル台の過去最高値、日経平均は23000円台の年初来高値をマーク。そして我々がずっと注目していたグロース系小型株がようやく動き出したため、ポートフォリオにおいて新興銘柄の組み入れを強化している。マザーズ市場は昨年1月の高値1367ポイントから年末には749ポイントまで下落。ようやく現在913ポイントまで回復しているが、まだまだ出遅れている。年末に向けてのラリーに期待したい。
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