FOMC決定の歴史的意義

【ストラテジーブレティン(219号)】

(1) 徹頭徹尾市場フレンドリー、QE定着(出口なし)

利上げ停止、QT停止が視野に
FRBは1月30日政策金利を据え置き、さらに追加利上げの休止を強く示唆した。また資産縮小に関連した声明文を別枠で公表して「経済活動や市場動向に応じて、バランスシートの正常化の詳細を修正する用意がある」と明示した。前回12月の記者会見でパウエル議長は「資産縮小は順調で見直す予定はない」と話していたが、方針転換に踏み切った。ロイターや日経新聞などは、FRBのバランスシート縮小は予想より早い段階に終了される可能性がある、と論じている。

FRBをフリーハンドにする好都合の真実
武者リサーチは前回のブレティン(1月21日付218号)で「インフレの鎮静化により、FRB の利上げの必要性がない、ということがはっきりしてきた。今のFRB は景気を拡大させ株価を維持するために、必要ならどんな手でも打てる状態である。量的金融緩和を再開することもできるし、利下げもできる。それをやったら直ちにマーケットは息を吹き返すと思います。なぜそれができるかと言うと、物価が抑制されているから。これをFRBによる過剰なマーケット支援であり、モラルハザードだ、バブル促進策だと言って批判する人はいる。けれども、インフレが抑制されている、つまりまだ供給力に余剰がある局面においては、需要の増加をもたらす金融緩和政策は間違っていない。それは、この間の一連の動き、株価下落その後のFRBのスタンス変化その後の株価急反発、によって証明されていると思う。」と主張してきたが、想定通りの展開である。

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