満を持して迎える2018年~明白な事実、平成が土台を作った新たな繁栄の時代が始まった~

【ストラテジーブレティン(192号)】

謹 賀 新 年

饒田津に船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな (額田王)

2018年はすべての条件が整い、勇気凛凛新たな船出に向かう、という年になるのではないか。ここ数十年これほどの好条件で新年を迎えることは初めてである。平成最後の年は新たな繁栄時代の幕開けの年である、と考える。

2018年の最大のリスクは、米国でも中国でも北朝鮮でもなく、アップサイドの過小評価ではないか。世界株高に躓きの要素が見えない。世界同時好況、各国のフレンドリーな経済政策、好企業収益、抑制されたインフレ等々。そのうえ日本では価格競争(number one戦略)から抜け出し、技術品質のみに特化した新たなビジネスモデル(only one戦略)が咲きほころうとしている。ハイテクでもインバウンドでも、求められているものは日本の質であるが、その株価評価は不当なまでに低いままである。

人々が悲観論にとらわれる原因は、技術革新とそれがもたらすイノベーションの軽視に尽きる。2年で2.5倍、5年で10倍、10年で100倍の半導体・通信技術の発展は空前の生産性上昇を労働生産性と資本生産性の双方にもたらし、企業はそれにより膨大な富を生み出している。企業は儲かり、使い切れない資本が金利を引き下げる。また供給力の増大が物価を押し下げる。故に余剰資本を有効需要に転換する政策が決定的に重要なのである。今先進国で採用されているリフレ政策は、需給ギャップを解消させ、やがて物価と金利上昇圧力を高める。悲観論は一掃されるのではないかと考える。

2018年 元旦  武者リサーチ

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