世界同時好況相場が始まった、円高懸念霧消で日本株も合流へ
【ストラテジーブレティン(178号)】
(1) 世界同時好況が始まった
世界同時好況が始まった様相である。製造業PMI は米国、ユーロ圏、中国、日本など全世界的に上向いている(図表1)。商品市況も上昇。原油価格回復による資源鉱工業部門の回復、ハイテク循環の回復が特徴的である。景気に敏感なハイテクの動きは台湾IT 企業の売上高急伸からうかがえる(図表3)。ハイテク在庫調整完了・プロダクトサイクルの好転、中国でのハイテク投資急拡大などが背景にある。また工作機械受注が内外需向けに回復しており、世界的設備投資ブームの兆しがうかがえる(図表4)。
米国の景況感の好転は特に顕著である。米国雇用の8 割強を担う中小企業における景気楽観度指数がトランプ政策への期待により大ジャンプしている(図表5)。またミゼリーインデックス(失業率+インフレ率)が過去最低水準(図表6)、つまり完全雇用に近い好景気なのにインフレが抑制されているから過度の金融引き締めの必要がない。加えて財政赤字は対GDP 比2%台と改善しているから、減税やインフラ投資が可能となる。さらにエネルギーや金融規制緩和もビジネス活動を活発にする。次回中間選挙の2018 年には経済成長率4%を超えるブームが訪れる可能性は大きい。予想される経済ブームは2020 年までのトランプ政権の任期中続くことも十分に考えられるのである。
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