円安を享受せよ
~円安は日本製造業の劇的復活を担保する~

2023/11/16

【ストラテジーブレティン(344号)】

日本ダメ論の横行
円が急落、ドル円は151.6円という1990年以来のほぼ33年ぶりの円安になっている。通貨の実力を示す円の実質実効レート(2020年=100) の下落は更に極端で、2023年9月末現在72.4と、1ドル308円のスミソニアン体制時(1971~1973)の83.6に比べても13%安という歴史的安値に落ち込んだ。悪い円安論がメディアとエコノミストの間で語られ始めた。産経新聞は日本の名目GDPが独、印に抜かれ世界4位に落ちる見込みと述べ、日本の地盤沈下を報じた。日経新聞は円弱時代との自嘲的な記事で、円安を引き起こす日本の弱点をあげつらっている。資本が成長力の弱い日本から逃げていき円安になるとの議論で円安を解釈している。しかし日本の低成長力は今に始まった話ではない。2010年以降の円高時代においても、巨額の資本が成長率が高い海外へと流出したのに円高が続いた。日本がだめだから円安になっているという議論は成り立たないのである。

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